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戦争を生き抜いた強い母

去年の夏、猛暑に体調を崩し、入院することになった母。

「少し休んだら大丈夫やけん」と元気そうに笑っていましたが、その後急に病状が悪化し、そのまま息を引き取りました。

92歳という高齢ではありましたが、まだまだ元気に長生きしてくれると思っていた私たち家族は突然の不幸に狼狽えるばかりでした。

あの頃を今思い出すと、どうやって毎日を過ごしていたか不思議なほど目まぐるしかったように思います。

エンディングプランナーの方の大きなサポートがなければ、きちんと母を送り出すことは絶対にできなかったでしょう。

最初は悲しみに沈み、何も考えられなかった私ですが元気で明るく、私の太陽のような存在であった母を立派に送り出したいという思いが次第に湧いてきました。

最後のお別れは多くの人が挨拶ができるようにと家族葬ではなく100人以上の方に集まってもらいました。

祭壇に飾る花は母の性格をイメージして、黄色やピンクなどの華やかで明るい色を選んでいただきました。

エンディングプランナーの方が、花言葉まで調べて入念に準備をしていただいたことに驚きました。

戦争を生き抜いた強い母は、底抜けに明るい人でした。「大丈夫、大丈夫」が口癖で、どんな時でも前向きに考える母を、思春期のころは楽観的すぎると感じ衝突することもしばしば。

しかし社会に出て働き出し、結婚、子育てが始まるとそのような母の強さがいかに生きていく上で大切なことかに痛いほど気付かされました。

87歳まで元気に朝早く起きて野菜作りをすることを生きがいとしていた母は、骨折をしてからはそれもできなくなってしまいました。落ち込む母を家族の誰もが心配していましたが、しばらくすると新たにデイサービスへ通う楽しみを見つけ、家では新しくできた友人たちの話を楽しそうに家族に話してくれました。私たちはその時、再び母の強さを思い知らされました。

最後のお別れの日、多くの人から母へのねぎらいの言葉や感謝の言葉をかけていただき、誇りや感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。

母と紡いだ時を振り返ると、心豊かに過ごせたことに感謝の想いが溢れます。向かった先での安らかな思いを願いつつ、家族全員で冥福を祈りたいと思っています。