【2025】精進落としの挨拶の注意点|例文とポイントをわかりやすく解説

【2025】精進落としの挨拶の注意点|例文とポイントをわかりやすく解説

火葬の後に行う食事会を、「精進落とし」といいます。精進落としの開始時や終了時、献杯時には、喪主や親族代表などが挨拶をするのが一般的です。

では、精進落としの挨拶では、何を話せばよいのでしょうか?また、精進落としの挨拶は、どのような点に注意して行えばよいのでしょうか?今回は、精進落としの概要や精進落としの挨拶の注意点を解説するとともに、精進落としでの挨拶の例を紹介します。

なお、当サイト「家族葬のアイリス」は全国対応で葬儀のトータルサポートを行っています。ご家族が亡くなり、精進落としの挨拶についても相談できる信頼できる葬儀社をお探しの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご連絡ください。

精進落としとは

精進落としとは、火葬の後に、火葬場まで同行した近親者と僧侶にて行う食事会のことです。「お斎(とき)」と呼ばれることもあります。精進落としの目的はお世話になった会葬者や僧侶に感謝の意を伝えて労うことであり、喪主などの遺族側が手配します。

精進落としは元々、四十九日の忌明け後にはじめて口にする通常の食事(精進料理ではない食事)を指す言葉でした。忌中において、遺族は肉や魚を使用しない「精進料理」のみを食すべきとされており、忌明け後には通常の食事を食べることが可能となるためです。

しかし、近年では多忙な人も増えており、通常の社会生活を送る中で忌中のしきたりを厳格に守ることは容易ではありません。そのため、近年では忌中においても通常どおりの食事をとることが多くなっています。これに伴い「精進落とし」の意味も変化し、火葬後に行う食事会を指すことが一般的となりました。

家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、精進落としの手配もお受けしています。ご家族が亡くなり、葬儀社の選定や精進落としの手配でお困りの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご連絡ください。

精進落としの基本

精進落としではどのような食事を用意し、誰が参加するのでしょうか?ここでは、精進落としの基本を解説します。

精進落としで用意する料理

精進落としでは、1人1膳の仕出し弁当や懐石料理、お寿司などを用意します。当日まで参列者の数が確定しない通夜振る舞いとは異なり、参加者の数が事前に分かっているため、取り分け用の料理ではなく1人1食分を用意することが基本です。

近年では、精進落としのメニューについて細かな決まりはありません。ただし、お祝いの席を連想させる有頭海老や鯛などは避けた方がよいでしょう。

精進落としに参加する人

精進落としに参加するのは、火葬の場まで同行した近親者と、僧侶です。ただし、僧侶の都合が付かない場合もあるため、その場合にはお布施とは別に5,000円から1万円程度の「お膳料」を包むのがマナーとされています。

精進落としの一般的な流れ

精進落としは、どのような流れで進行するのでしょうか?ここでは、一般的な流れを紹介します。

  • 精進落とし開始の挨拶
  • 献杯の挨拶・献杯
  • 食事・歓談
  • 精進落とし終了の挨拶

精進落とし開始の挨拶

参列者が着席したら、精進落とし開始の挨拶を行います。この挨拶は、喪主が行うことが一般的です。

献杯の挨拶・献杯

続けて、献杯の挨拶をして献杯をします。献杯は「けんぱい」と読み、故人に追悼と敬意を示して杯を捧げる行為です。乾杯とは異なり高らかに発声するのではなく、献杯はグラスを胸の前あたりに静かに差し出す形で行います。

献杯の挨拶は、喪主以外の親族や友人、会社関係者などが行うことが多いものの、喪主が開始の挨拶に続けてそのまま行う場合もあります。

食事・歓談

献杯後は、食事をとりながら歓談をします。喪主や遺族は、参列者の席を回ってお酌などをしつつ、葬儀のお礼などを伝えます。あくまでも故人を偲び、参列者をもてなす場であるため、故人と関係のない話を話し込むことは避けるべきでしょう。

精進落とし終了の挨拶

最後に挨拶をして、精進落としが終了します。締めの挨拶も、喪主が行うことが一般的です。

精進落としの挨拶の例

精進落としの挨拶は、どのような内容とすればよいのでしょうか?ここでは、「葬儀太郎」氏が亡くなり妻である葬儀花子氏が喪主である場合を前提に、精進落としの挨拶について例を紹介します。

精進落としの挨拶に不安がある場合には、あらかじめ葬儀社の担当者に相談しておくとよいでしょう。精進落としの挨拶についても相談でき、安心して葬儀の施行を任せられる葬儀社をお探しの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。

精進落とし開始時の挨拶の例

精進落とし開始時の挨拶の例は、次のとおりです。この挨拶は、喪主が行うことが一般的です。

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本日はお忙しいところ、夫・葬儀太郎の葬儀にあたりたいへんお世話になり、誠にありがとうございました。

皆さまにお力添えをいただいたおかげで、葬儀・告別式を無事に終えることができました。

お礼の気持ちを込めまして心ばかりのお食事を用意いたしましたので、思い出話などをお聞かせいただきながら、ぜひごゆっくりとお召し上がりくださいませ。

本日は、ありがとうございました。

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参列いただいたことや葬儀でお世話になったことへの感謝の想いを伝えるとともに、ゆっくりとくつろいでほしい旨を伝えましょう。

献杯の挨拶の例

精進落としでの献杯の挨拶の例は、次のとおりです。この挨拶は喪主が行う場合もあれば、他の親族や友人などが行う場合もあります。ここでは、喪主が挨拶をする場合の例と故人の弟が挨拶をする場合、友人が挨拶をする場合の例をそれぞれ紹介します。

喪主による献杯の挨拶の例

喪主が精進落とし開始の挨拶に続けてそのまま献杯の挨拶をする場合の例は、次のとおりです。

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本日はお忙しいところ、夫・葬儀太郎の葬儀にお集まりいただき、誠にありがとうございます。お陰様で、葬儀・告別式を滞りなく済ませることができました。心より、御礼申し上げます。

お礼の気持ちを込めまして心ばかりのお食事を用意いたしましたので、思い出話などをお聞かせいただきながら、ぜひごゆっくりとお召し上がりいただければと存じます。

それでは、ここに故人を偲び、献杯をお願いしたいと存じます。皆さま、お手元にグラスをご用意くださいませ。

「献杯」。ありがとうございました。

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喪主が献杯の挨拶をする場合には開始の挨拶と献杯の挨拶とを特に切り分けず、開始の挨拶からそのまま献杯の挨拶へ進むとよいでしょう。

故人の弟による献杯の挨拶の例

故人の弟が精進落としでの献杯の挨拶をする場合の例は、次のとおりです。

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葬儀太郎の弟の、〇〇〇〇でございます。本日はお忙しい中、兄のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。

心配性なところのある兄でしたが、皆さまのお陰で葬儀・告別式を無事に終えることができ、兄もひと安心していることと存じます。

ここで、兄を偲んで献杯を行いたいと思います。皆さま、お手元にグラスをご用意ください。

「献杯」。ありがとうございました。

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喪主以外の故人の親族が献杯の挨拶をする際は、参列者に感謝の気持ちを伝える一文を盛り込むとよいでしょう。併せて、故人の人柄がわかるエピソードなどを盛り込むこともあります。

故人の友人による献杯の挨拶の例

故人の友人が精進落としでの献杯の挨拶をする場合の例は、次のとおりです。

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ただいまご紹介をいただきました、〇〇〇〇と申します。葬儀太郎さんとは学生時代からの付き合いで、卒業してからも家族ぐるみでお付き合いさせていただいておりました。

定年を迎え、これからはまたゆっくりと旅行がしやすくなるねと話しておりましたのに、まさかこのような形で突然のお別れをすることになるとは・・今でも、信じられない気持ちでいっぱいです。

ご遺族のご心中を思うと言葉もございませんが、太郎さんを偲び、ここに献杯をさせていただきたいと存じます。

「献杯」。ありがとうございました。

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故人の友人が精進落としでの献杯の挨拶をする場合には故人との関係性やエピソードを挨拶に簡単に盛り込むとともに、遺族の感情にも配慮した内容にするとよいでしょう。

精進落とし終了時の挨拶の例

精進落とし終了時の挨拶の例は、次のとおりです。この挨拶は、開始時の挨拶と同じく喪主が行うことが一般的です。

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本日は長時間にわたりお付き合いくださいまして、誠にありがとうございました。

皆さまから夫の思い出話をたくさんお聞かせいただき、私も知らなかった一面を知ることができました。

もっとお話しを伺っていたいところではございますが、皆さまもお疲れのことと存じますので、このあたりで終了とさせていただきます。外は暗くなってまいりましたので、足元にお気をつけてお帰りくださいませ。

皆さま、本日は誠にありがとうございました。

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改めて参列などへの感謝の想いを伝えるとともに、名残惜しくも精進落としが終了の時間となったことを伝えましょう。

精進落としの挨拶での注意点

最後に、精進落としの挨拶で特に注意すべき点を、3つ紹介します。

  • 忌み言葉を避ける
  • 長く話し過ぎない
  • 「献杯」と「乾杯」の違いを理解する

精進落としの挨拶に不安がある場合には、あらかじめ葬儀社の担当者に相談しておくとよいでしょう。精進落としの挨拶についても相談できる信頼できる葬儀社をお探しの際は、家族葬のアイリスまでご連絡ください。

忌み言葉を避ける

1つ目は、忌み言葉を避けることです。忌み言葉とは、その場面において縁起が悪いと考えられ、避けるべきとされる表現です。

葬儀や精進落としの場では、次の言葉などが忌み言葉とされています。

  • 不幸が繰り返されることを連想させる言葉:「重ねて」「追って」「繰り返し」など
  • 同じ表現を繰り返す言葉(不幸が繰り返されることを連想させるため):「次々」「続々」「重々」「重ね重ね」「追々」など
  • 生死を直接的に表す言葉:「死んだ」「急死」「生きていた頃」など

また、仏式の場合には「迷う」や「浮かばれない」なども忌み言葉とされています。これらの言葉は、故人が無事に成仏できないことを連想させるためです。

長く話し過ぎない

2つ目は、長く話し過ぎないことです。

精進落としでの挨拶の長さは、1分から2分程度が目安とされます。長々と話せば参列者も疲れてしまうため、精進落としの挨拶であまり長く話すことは避けましょう。あらかじめ話す内容を検討しておくと、適切な長さでまとめやすくなります。

「献杯」と「乾杯」の違いを理解する

3つ目は、精進落としで行う「献杯」と、「乾杯」の違いを理解しておくことです。これらを混同すると、恥をかくこととなりかねません。

献杯と乾杯の主な違いは、次のとおりです。

献杯 乾杯
読み方 けんぱい かんぱい
主な場面 通夜振る舞いや精進落としなどの弔事 慶事
望ましい発声 静かに落ち着いた声で 高らかな発声
グラスの位置 胸の高さまで軽く持ち上げる程度 高く掲げる
拍手 しない する

特に献杯の挨拶をする際は、これらの違いを十分に理解して誤らないよう注意しましょう。

まとめ

精進落としの挨拶のマナーを解説するとともに、精進落としで行う挨拶の例を紹介しました。

精進落としでは、開始時と献杯時、終了時と、3度の挨拶があることが一般的です。このうち、開始時と終了時の挨拶は喪主が行い、献杯の挨拶はその他の近親者が行う場合が多いでしょう。ただし、献杯の挨拶までを喪主が行う場合もあります。

精進落としの挨拶ではあまり長く話し過ぎないようにするとともに、できるだけ忌み言葉を避けるよう注意が必要です。精進落としの挨拶に不安がある場合には、メモなどを用意して話す内容をまとめるとよいでしょう。そのうえで、葬儀社の担当者にあらかじめ相談しておくことで、安心して挨拶に臨みやすくなります。

家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、ご逝去のご連絡をいただいたらすぐに担当者が駆け付けてサポートを開始します。ご家族が亡くなり、信頼できる葬儀社の選定でお困りの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。

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