菩提寺とは、ご先祖のお墓があり、葬儀や法要などをお願いするお寺です。「菩提寺」に対し、菩提寺を支える家のことを「檀家(だんか)」といいます。菩提寺がある場合、通夜・葬儀での読経は菩提寺にお願いし、お骨は菩提寺のお墓に埋葬することとなります。
では、菩提寺がない場合の葬儀や埋葬は、どうすればよいのでしょうか?また、菩提寺を持つことにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?今回は、菩提寺がない場合の葬儀や埋葬の選択肢や菩提寺を持つことのメリット・デメリットなどについて、くわしく解説します。
なお、当サイト(家族葬のアイリス)は全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、菩提寺がない場合の僧侶の紹介も行っています。菩提寺がなく葬儀についてお困りの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。お電話は、24時間365日いつでも受付中です。
「菩提寺がない」の3つのパターンと対処法
一口に「菩提寺がない」と言っても、これにはさまざまなパターンがあると考えられます。はじめに、「菩提寺がない」の3つのパターンとそれぞれの対処法を解説します。
ご縁のあるお寺が一切ない場合
ご縁のあるお寺が一切なく、菩提寺がないことが確定しているケースです。菩提寺がないことが明確であれば、菩提寺があるかどうかを調べたり、「菩提寺かもしれない」寺院に問い合わせたりする必要はないでしょう。この場合の対処法は、後ほど改めて解説します。
菩提寺があるが遠方である場合
菩提寺はあるものの、遠方であるケースです。この場合は、「菩提寺がない」とは言えません。この場合にはまず菩提寺に連絡をしたうえで、「僧侶の出張を依頼する」「近隣で同じ宗派の寺院を探す」などの判断を仰ぐべきでしょう。それぞれ、概要を解説します。
僧侶の出張を依頼する
菩提寺が遠方であっても、菩提寺によっては僧侶が出張してくれる可能性があります。なお、僧侶に出張してもらう場合、僧侶の交通費である「御車代」などを多めにお渡しすることとなります。
また、読経のお礼である「お布施」も多めにお渡しすべきことが多いでしょう。このあたりの対応についても、失礼のないよう事前に確認しておくと安心です。
近隣の同じ宗派の寺院に依頼する
菩提寺が遠方であり菩提寺の僧侶による出張が難しい場合、同じ宗派の近隣の寺院を紹介してもらえることがあります。この場合は、同じ宗派の近隣の寺院の僧侶に葬儀での読経などをお願いすることになるでしょう。
菩提寺があるかどうかわからない場合
菩提寺があるかどうか、よくわからないケースもあるでしょう。この場合は、まず菩提寺の有無を調べる必要があります。具体的な方法を2つ解説します。
くわしい親族に尋ねる
親族に尋ねることで、菩提寺の有無やどこが菩提寺であるのかなど、詳細を教えてもらえる可能性があります。そのため、菩提寺があるかどうかわからない場合は、まずは親族に尋ねてみるとよいでしょう。
可能性のある寺院の問い合わせる
事情を聞ける親族がいない場合、可能性のある寺院に尋ねてみることが検討できます。たとえば、実家の近くのお寺や、家族・親族の葬儀の際に読経してもらったお寺などです。
なお、お寺の敷地内に親族のお墓がある場合は、そのお寺が菩提寺である可能性が高いでしょう。
菩提寺がない場合の通夜や葬儀の読経はどうすればよい?
菩提寺がない場合、通夜や葬儀での読経はどうすればよいのでしょうか?ここでは、菩提寺がない場合における通夜や葬儀での主な対応の選択肢を3つ解説します。
- 新たに菩提寺としたいお寺を見つけて依頼する
- 通夜や葬儀での読経だけお願いできる僧侶を探す
- 無宗教式とする
新たに菩提寺としたいお寺を見つけて依頼する
1つ目は、新たに菩提寺としたいお寺を見つけて読経を依頼する方法です。寺院が管理する一般墓に納骨したい場合や、今後新たにお寺との関係を築いていきたい場合などには、この方法が有力な選択肢となります。
候補となる寺院を見つけたら、まずは寺院に連絡をして葬儀での読経やお墓への納骨をお願いしたいと考えていることを伝えて相談するとよいでしょう。
通夜や葬儀での読経だけお願いできる僧侶を探す
2つ目は、通夜や葬儀での読経だけをお願いできる僧侶を探す方法です。通夜や葬儀などでは僧侶に読経してほしいものの、今後菩提寺としてお付き合いを継続したいとまでは考えていない場合には、この方法が有力な選択肢となるでしょう。
ここでは、通夜や葬儀での読経だけを依頼できる僧侶を探す方法を3つ解説します。
- 自分で探す
- 僧侶派遣サービスを利用する
- 葬儀社に依頼する
自分で探す
通夜や葬儀で読経してくれる僧侶を、自分で探す方法です。自分で僧侶を探したい場合、近隣の寺院などに連絡を取って通夜や葬儀での読経だけをお願いできないか打診してみるとよいでしょう。
ただし、すべての寺院が「葬儀や通夜での読経だけ」の依頼を受けているわけではありません。そのため、候補の寺院に断られる可能性も踏まえ、複数の寺院を候補として見つけておく必要があります。
僧侶派遣サービスを利用する
通夜や葬儀で読経してもらう僧侶を派遣してくれる「僧侶派遣サービス」を活用する方法です。僧侶派遣サービスを活用すれば、通夜や葬儀での「単発での読経の依頼」を受けている僧侶を簡単に見つけられます。
また、一般的には「お気持ちで」と言われて額が曖昧となりやすいお布施の額も明確です。この点も、この方法のメリットだと言えるでしょう。
葬儀社に依頼する
葬儀社に依頼して、僧侶を探してもらう方法です。通夜や葬儀での読経だけをお願いできる僧侶を探す場合、葬儀社に紹介を依頼することが多いでしょう。
自分で僧侶を探す必要がないため、負担を大きく軽減できます。また、葬儀社の担当者からお布施の訂正額の目安を教えてもらえることも多いため、この点でも安心です。
家族葬のアイリスでは、必要に応じて僧侶の紹介も行っています。通夜や葬儀での読経だけをお願いできる僧侶の紹介も受けられる葬儀社をお探しの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。
無宗教式とする
3つ目は、「無宗教式」とする方法です。無宗教式とは、僧侶などの宗教者を呼ばずに行う葬儀です。
通夜や葬儀には、必ずしも僧侶を呼ばなければならないわけではありません。菩提寺がなく、故人や喪主に特に信仰する宗教もないのであれば、無宗教式とすることも有力な選択となります。
なお、単に読経がないだけでは通夜や葬儀の「メインの時間」が空いてしまいます。そこで、読経に代わる何らかの儀式を行うことが多いでしょう。
たとえば、故人の生涯を振り返るスライドショーの上映や演奏家による生演奏、故人の好きだったCDの上演などです。特に、音楽によって故人を追悼する葬儀を「音楽葬」と呼ぶこともあります。
無宗教式とする場合、僧侶へのお布施は必要ありません。その一方で、行う儀式の内容によっては演奏家を手配する費用などがかかります。
また、葬儀社の担当者に企画提案力が必要となるため、葬儀社によって得意・不得意が分かれやすいといえるでしょう。そのため、無宗教式とする場合は無宗教式の実績が豊富な葬儀社を選ぶことをおすすめします。
家族葬のアイリスは僧侶を手配して行う仏式の葬儀などのほか、無宗教式への対応も可能です。菩提寺がなく、無宗教式をご希望の際は、家族葬のアイリスまでお気軽にお問い合わせください。
菩提寺がない場合の埋葬はどうすればよい?
葬儀を終えたら、次は埋葬について検討することとなります。では、菩提寺がない場合、埋葬はどうすればよいのでしょうか?菩提寺がない場合の埋葬の主な選択肢を6つ解説します。
- 新たに菩提寺としたいお寺に埋葬する
- 宗旨宗派不問の霊園に埋葬する
- 永代供養とする
- 納骨堂を利用する
- 手元供養とする
- 散骨する
新たに菩提寺としたいお寺に埋葬する
1つ目は、新たに菩提寺としたいお寺に埋葬する方法です。寺院が管理する一般墓に埋葬したい場合は、そのお寺の檀家となることが有力な選択肢になるでしょう。
一般墓とは「お墓」といった際に多くの人がイメージするお墓であり、「〇〇家之墓」や「先祖代々之墓」などの彫刻があるものです。
なお、新たにお寺の一般墓に埋葬するには、通夜や葬儀でそのお寺の僧侶に読経してもらうことや戒名を授かることが条件とされる可能性があります。そのため、寺院が管理する一般墓への埋葬を検討している場合には葬儀を終えてから連絡するのではなく、葬儀の前に連絡することをおすすめします。
宗旨宗派不問の霊園に埋葬する
2つ目は、宗旨宗派不問の霊園に埋葬する方法です。
寺院が管理する墓地とは異なり、霊園は宗旨宗派不問で埋葬できることが一般的です。その代表例は、公営墓地です。
このような宗旨宗派不問の霊園であれば、菩提寺の有無はもちろんのこと、葬儀での読経の有無や戒名の有無などに関わらず埋葬できます。
なお、宗旨宗派不問の霊園の中でも公営墓地は費用が低めであることなどから人気が高く、抽選制であることも少なくありません。人気の墓地であれば必ずしも埋葬できるわけではないうえ、抽選までの待ち時間が生じることもあるため、この点を理解したうえで申し込む必要があるでしょう。
永代供養とする
3つ目は、永代供養とする方法です。永代供養とは、霊園管理者や墓地を管理する寺院などが、永代(長い間)にわたって供養してくれる埋葬形態です。
永代供養は宗旨宗派を問わずに利用できることが多く、菩提寺がない場合や葬儀で僧侶に読経してもらわなかった場合であっても利用しやすいでしょう。墓地の承継者がいない場合には、この永代供養が有力な選択肢になります。
永代供養には、はじめから他の多数の遺骨と一緒に埋葬される「合祀」のほか、一定期間は個別墓に埋葬されてその後合祀とされるものなど、さまざまな形態があります。はじめから合祀とされる場合がもっとも費用が抑えやすい一方で、個別墓に埋葬する場合は費用が高くなる傾向にあります。
なお、遺骨の周囲にシンボルとなる樹木を植える「樹木葬」も注目されており、これにも永代供養が付帯されることが多いでしょう。
納骨堂を利用する
4つ目は、納骨堂を利用する方法です。納骨堂とは、遺骨を地中に埋葬するのではなく、骨壺に入った状態の遺骨を屋内の専用施設に安置する形態です。
専用の鍵(カード)を差し込むと対象の遺骨が機械式で運ばれてくるもののほか、コインロッカーのような形状の棚に遺骨を納めるものなど、さまざまな形のものがあります。納骨堂には永代供養が付されることが一般的であり、宗旨宗派を問わずに利用できるものがほとんどです。
都心では墓地が不足しており、利便性の高い墓地へ埋葬しようとすれば費用も高額となります。一方で、納骨堂では駅に近い利便性のよい場所に作られることも多く「お墓参り」がしやすいでしょう。また、比較的安価なものも多いため、主に都心部で多く利用されています。
手元供養とする
5つ目は、手元供養とする方法です。手元供養とは、遺骨を埋葬せず、お手元で供養することです。
遺骨は、必ずしも埋葬しなければならないわけではありません。納骨せずに骨壺に納めた状態の遺骨を、そのままご自宅に安置することも可能です。
仏壇に安置することが多いものの、近年ではインテリアに馴染みやすい形の骨壺などもあるため、リビングに専用スペースを設けて安置する場合もあります。また、遺骨の一部を納めて身に着けられるペンダントなども販売されています。
散骨する
6つ目は、散骨する方法です。散骨とは、海や山岳などにパウダー状にした遺骨を撒く供養方法です。
故人が海が好きで、「亡くなったら海に撒いてほしい」と希望していた場合や、「自然に還りたい」と希望していた場合などには、この方法が有力な選択肢となります。
ただし、ご遺族が自分で散骨するのはおすすめできません。誤って他人の所有地に遺骨を撒いてしまえば所有者との間で大きなトラブルとなり得るほか、海など個人の所有地でない場所であっても漁業組合や観光協会などとの間でトラブルに発展する可能性があるためです。
また、自治体によっては散骨のルールを条例で定めている場合もあり、安易に行えば条例に違反するおそれもあります。このようなトラブルを避けるためにも、散骨は専用の事業者に依頼して行う必要があるでしょう。
なお、家族葬のアイリスは葬儀のサポートに加えて、散骨や永代供養のサポートも行っています。菩提寺がなく、散骨や永代供養についても相談できる葬儀者をお探しの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。
菩提寺を変更する際の注意点
菩提寺があるものの、遠方であるなどの理由から菩提寺を変えたいと考える場合もあるでしょう。ここでは、菩提寺を変える場合の主な注意点を3つ解説します。
- 元の菩提寺の協力が必要となる
- 墓石の解体費用や新たな設置費用などが必要となる
- 離檀料の支払いが必要となることが多い
元の菩提寺の協力が必要となる
菩提寺を変更する場合、元の菩提寺の協力が必要となります。お墓の中の遺骨を移し替える「改葬」をするには、管理者(元の菩提寺)の署名捺印がされた「埋葬証明書」が必要となるためです。
そのため、人道的な観点のみならず、協力を得るべき必要性という観点からも、「菩提寺を変えるから、元の菩提寺は関係ない」と考えて失礼な振る舞いをすることは避けましょう。
墓石の解体費用や新たな設置費用などが必要となる
菩提寺を変える場合は、元の菩提寺のお墓を解体する費用もかかります。そのため、新たな菩提寺にお墓を設置する費用だけではなく、元にお墓の解体費用も加味して費用を用意しておく必要があります。
離檀料の支払いが必要となることが多い
菩提寺を変える場合、元の菩提寺からは離檀することとなります。この際、元の菩提寺に一定の「離檀料」の支払いが必要となることが多いでしょう。
離檀料の相場は3万円から15万円程度であるものの、地域やその寺院の格などによっても変動します。そのため、事前に親族などと相談したうえでお渡しする額を検討するのがおすすめです。
その寺院に特にお世話になったと考えているのであれば、感謝の気持ちを示すため、多めの離檀料をお渡ししましょう。
菩提寺を持つメリット
菩提寺を持つメリットは、どのような点にあるのでしょうか?ここでは、菩提寺を持つ主なメリットを2つ解説します。
- 葬儀や法要について相談できる
- 新たにお墓を買う必要がない
葬儀や法要について相談できる
1つ目は、葬儀や法要について相談できることです。
菩提寺は、葬儀や法要の心強い味方となります。葬儀や法要で読経してもらえるのみならず、宗旨・宗派に応じたマナーや注意点についての細やかな相談にも乗ってもらえます。そのため、葬儀や法要を安心して実施しやすくなるでしょう。
新たにお墓を買う必要がない
2つ目は、新たにお墓を買う必要がなくなることです。
菩提寺がある場合はご家族が亡くなっても、すでに菩提寺にあるお墓に納骨できます。そのため、新たにお墓を建立する必要がありません。また、お墓の日常の管理を菩提寺に任せられることもメリットでしょう。
菩提寺を持つデメリット
菩提寺を持つことには、デメリットもあります。ここでは、主なデメリットを2つ解説します。
- 葬儀形態などが事実上制限されることになる
- 寄付などのお付き合いが必要となる可能性がある
葬儀形態などが事実上制限されることになる
1つ目は、葬儀形態などが事実上制限されることです。
原則として、菩提寺がある場合は菩提寺が関与しない形で葬儀をすることはできません。そのため、たとえば「無宗教式としたい」や「葬儀費用を抑えるために、僧侶も呼ばず直葬としたい」と考えても、このような選択肢は取りづらくなるでしょう。
寄付などのお付き合いが必要となる可能性がある
2つ目は、寄付などのお付き合いが必要となる可能性があることです。
檀家は、菩提寺を支える役割を担います。そのため、お墓の維持管理費用を支払う必要があるほか、寺院が老朽化して修繕や建て替えが必要となった際には臨時の寄付を求められる可能性があるでしょう。
寄付は本来任意に行うものとはいえ今後の付き合いを考えると断りづらく、事実上の義務となり、負担となるおそれもあります。
菩提寺がない場合のよくある質問
最後に、菩提寺がない場合のよくある質問とその回答を2つ紹介します。
菩提寺がなくても葬儀はできる?
菩提寺がなくても、葬儀を行うことは可能です。この場合は無宗教式とする方法のほか、葬儀社から僧侶の紹介を受けて葬儀をすることなどが検討できます。
菩提寺がなくても納骨はできる?
菩提寺がない場合、寺院が管理する一般墓への納骨は困難でしょう。一方で、宗旨・宗派不問の霊園に埋葬したり永代供養としたりするなど他の方法での納骨は可能です。
まとめ
菩提寺がない場合の葬儀や埋葬について解説しました。
菩提寺がないからといって、通夜や葬儀ができないわけではありません。新たに菩提寺となる寺院を見つけて打診することもできる一方で、葬儀社から、通夜や葬儀での読経だけを依頼できる僧侶を紹介してもらうことも可能です。
また、埋葬についても、宗旨宗派不問の霊園に埋葬することや永代供養とすること、散骨することなどさまざまな選択肢が検討できます。菩提寺がないからといって埋葬できないわけではないため、必要以上に不安を感じる必要はありません。
家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、ご希望に応じて僧侶の紹介などのサポートも可能です。菩提寺がなく、通夜や葬儀で読経してもらう僧侶の手配でお困りの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。