ご遺体を自宅で安置する場合に必要な準備は?メリット・デメリットをわかりやすく解説

ご遺体を自宅で安置する場合に必要な準備は?メリット・デメリットをわかりやすく解説

ご逝去から通夜や葬儀・告別式までの間、ご遺体をどこかに保管する必要があります。ご遺体を保管することを「安置」といいます。ご遺体の安置場所の選択肢には、主にご自宅と葬儀社などの安置施設が挙げられます。

では、ご遺体を自宅で安置することには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?また、ご遺体を安置する場合、どのような準備が必要となるのでしょうか?今回は、ご遺体の自宅安置について、概要やメリット・デメリット、必要な準備などを解説します。

なお、当サイト(家族葬のアイリス)は全国対応で葬儀のトータルサポートを行っています。ご自宅での安置をご希望の際や安置場所でお悩みの際などには、家族葬のアイリスまでお気軽にお問い合わせください。お電話は、24時間365日いつでも受付中です。

ご遺体の安置方法の3パターン

はじめに、主なご遺体の安置方法を3つ解説します。ご遺体の安置場所は、この3パターンの中から選択することとなるでしょう。

  • 自宅安置
  • 預かり安置
  • 付き添い安置

自宅安置

1つ目は、自宅での安置です。

自宅安置では、故人の自宅に安置スペースを設けてご遺体を安置します。故人が住み慣れた自宅から送り出せるなど、自宅安置のメリットは小さくありません。

その反面、ご遺体の状態保つための温度管理が難しいなどの注意点もあります。自宅安置のメリット・デメリットは後ほどくわしく解説します。

預かり安置

2つ目は、預かり安置です。

預かり安置とは、葬儀社などの安置施設に安置する方法のうち、自由な面会ができない方法です。安置施設での安置の場合、特に「付き添い安置」との記載がない場合にはこの預かり安置であることが多いでしょう。

預かり安置の場合、安置期間中、ご遺体と自由な面会はできないことが一般的です。また、面会できる場合であっても、面会回数に応じて費用がかかることもあります。その一方で、適切な温度管理がしやすく、ご遺体の状態を良好に保ちやすい点がメリットです。

付き添い安置

3つ目は、付き添い安置です。

付き添い安置とは、葬儀社などの安置施設に安置する方法のうち、ご遺族がご遺体に付き添える方法です。最期までご遺体の傍についていられる一方で、ご遺族の宿泊スペースも必要となることから、費用が嵩みやすい方法であるといえます。

なお、家族葬のアイリスは自宅葬プランを除くすべての葬儀プランの基本料金に最大3日分の安置施設利用料を含んでいるほか、一部の葬儀プランでは1泊2日のご遺族の宿泊料も含んでいます。費用を抑えつつ、火葬の前日など最期は故人とともに過ごしたいとお考えの際などには、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。

ご遺体を自宅で安置するメリット

ご遺体を自宅で安置することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、自宅安置の主なメリットを4つ解説します。

  • いつでも故人のお顔が見られる
  • 最期の時間を自宅でともに過ごせる
  • 故人の関係者が面会しやすい
  • 安置施設の利用料がかからない

いつでも故人のお顔が見られる

ご遺体を自宅で安置する場合、当然ながら面会時間や面会回数などの制限はありません。そのため、安置期間中、心ゆくまで故人との最期の時間を過ごせます。

最期の時間を自宅でともに過ごせる

ご遺体を自宅で安置する場合、思い出のある自宅で最期の時間をともに過ごすことが可能となります。中でも、故人が長らく入院していた場合や入所していた場合などには、「家に帰りたい」と望むこともあるでしょう。

ご自宅で安置することで、無言の帰宅であるとはいえ、故人の希望を叶えることにつながります。

故人の関係者が面会しやすい

自宅安置の場合、故人の顔を見るために近隣住民や故人の友人などが喪服ではない普段着で立ち寄ってくれることがあります。このように、比較的気軽に故人との最期の面会をしてもらいやすいことも、自宅安置のメリットの1つでしょう。

安置施設の利用料がかからない

葬儀社などの安置施設を利用する場合、利用日数に応じて安置施設の利用料がかかるのが一般的です。一方で、自宅安置の場合には安置施設の利用料はかかりません。

ご遺体を自宅で安置するデメリット・注意点

ご遺体を自宅で安置することには、デメリットや注意点もあります。ここでは、ご遺体を自宅に安置するデメリットと注意点を3つ解説します。これらも踏まえて、安置場所を慎重に検討するとよいでしょう。

  • マンションの規約などで自宅安置が禁止されている場合がある
  • 温度・湿度管理が難しい
  • 近隣住民にご逝去を知られやすい

マンションの規約などで自宅安置が禁止されている場合がある

1つ目は、マンションの規約などで自宅安置が禁止されている場合があることです。

マンションなどの集合住宅や賃貸物件の場合には、管理規約や賃貸借契約書によって自宅での安置が禁止されていることがあります。そのため、まずは規約や賃貸借契約書で自宅安置が禁じられていないことを確認する必要があるでしょう。

また、マンションなどの場合には、ご遺体の搬入経路が確保できず自宅での安置が事実上困難な場合もあります。そのため、集合住宅の場合には、ご遺体の搬入・搬出経路もあらかじめ確認しておく必要があります。

温度・湿度管理が難しい

2つ目は、温度や湿度の管理が難しいことです。

葬儀までの期間、ご遺体を傷ませないためには、温度や湿度を適切に保つ必要があります。ご遺体を安置する部屋の温度は、18度以下が目安です。

夏場は、室温が常に18度以下となるようエアコンなどで調整しなければなりません。一方で、冬場に居住スペースに暖房を入れる場合であっても、ご遺体を安置する部屋の温度が上がり過ぎないよう注意すべきでしょう。

また、直射日光の当たる部屋での安置や、室内での加湿器の使用などはおすすめできません。そのうえで、ドライアイスの処置なども必要です。

このように、ご遺体を自宅で安置する場合には、温度や湿度の管理に細心の注意が求められます。

近隣住民にご逝去を知られやすい

3つ目は、近隣住民にご逝去を知られやすいことです。

近隣住民に積極的にお別れをしてほしい人にとっては、この点はメリットとなります。一方で、近隣住民が故人との面会に訪れるのを避けたい人にとっては、これはデメリットとなるでしょう。

自宅安置の場合にはご逝去を隠しきることは容易ではないため、この点も踏まえて安置場所を検討することをおすすめします。

なお、家族葬のアイリスは自宅葬プランを除くすべての葬儀プランの基本料金に最大3日分の安置施設利用料を含んでいるほか、一部のプランではご遺族の1泊2日分の宿泊料も含んでいます。ご遺体の安置場所でお悩みの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。

ご遺体を自宅で安置する場合に必要な準備

ご遺体を自宅で安置する場合、さまざまな準備が必要となります。ここでは、自宅安置で必要となる主な準備について解説します。

  • ご遺体を安置するスペースを確保する
  • 神棚がある場合は、封じる
  • ご遺体を安置する布団を整える
  • 枕飾りを用意する
  • 数珠や守り刀など宗教・宗派に合った物品を用意する
  • ドライアイスを用意する

ご遺体を安置するスペースを確保する

自宅安置をする場合、ご遺体を安置するスペースの確保が必要です。原則として、布団を敷けるスペースのほか、ご遺体の枕元に枕飾りを設置するスペースを確保しましょう。枕飾りとは、ご遺体の安置期間中にご遺体の枕元に設置する「ミニ祭壇」であり、香炉や燭台、花立てなどを飾ります。

お仏壇のある仏間がある場合、ご遺体の安置スペースは原則として仏間とします。仏間がない場合には和室が望ましいものの、和室がなければ故人が生前使用していたベッドに安置をしたり、リビングに安置したりしても構いません。

ただし、ご遺体の損傷を防ぐため、直射日光の当たる場所は避けましょう。

神棚がある場合は、封じる

自宅に神棚がある場合、「神棚封じ」を行います。神棚封じとは、神様が死の「穢れ」に触れないよう、神棚を閉じることです。神道では死は「穢れ」であると考えられているため、この神棚封じが必要となります。

神棚封じではまず神棚へ向かって挨拶をしたうえで、神棚のお供えを下げます。そのうえで神棚の扉を閉め、神棚の正面に白い半紙や布を貼って封印します。

なお、忌明けを迎えるまでの間、神棚は封じたままとします。

ご遺体を安置する布団を整える

自宅で安置する場合、ご遺体を安置する布団を整えます。布団は生前故人が使用していたものなどで構いません。

ただし、シーツや枕カバーなどは白い清潔なものを用意しましょう。布団が厚すぎればご遺体の腐敗が進むおそれがあるため、薄いものをかけます。ベッドなどの場合にはベッドの本体が体液で濡れてしまわないよう、防水シートなどを敷くとよいでしょう。

ご遺体の安置は、ご遺体の頭が北または西側を向くように行います。ただし、住宅事情などから北枕や西枕にすることが難しい場合には、必ずしもこの向きでなくても構いません。

枕飾りを用意する

ご遺体の枕元に飾る「枕飾り」を用意します。枕飾りの内容は宗派や地域などによって異なるため、事前に葬儀社の担当者に相談しておきましょう。たとえば、次のものなどを安置します。

  • 線香と香炉
  • 燭台とろうそく
  • 一膳飯
  • 枕団子
  • 水を入れたコップ
  • 花瓶

数珠や守り刀など宗教・宗派に合った物品を用意する

ご遺体を自宅で安置する際は、他にも宗教や宗派に合った物品を用意します。たとえば、守り刀や、数珠などです。

守り刀は、短刀(模造刀)をご遺体の胸付近に置きます。この際、刃先をご遺体の足側に向けましょう。また、数珠はご遺体に持たせます。この数珠は、原則として故人とともに火葬することになります。

ドライアイスを用意する

ご遺体に、ドライアイスを処置します。室温の管理だけではご遺体の状態を保存するには不十分であることから、ドライアイスを処置してご遺体をさらに冷却し、腐敗を防ぎます。

ご遺体の自宅安置に関するよくある質問

最後に、ご遺体の自宅安置に関するよくある質問とその回答を3つ紹介します。

ご遺体の安置期間はどのくらい?

ご遺体の安置期間は、通夜までの間です。一般的には、2日から3日程度であることが多いでしょう。

ただし、通夜は原則として火葬日の前夜に行うため、火葬までの期間が長ければ安置期間も長くなります。火葬までの期間が長くなる主な原因としては、火葬場の予約がとれないことや菩提寺の僧侶・遺族・斎場の都合などが挙げられます。

自宅安置で行うことのある「末期の水」とは?

「末期の水」とは、故人の口元を水で湿らす儀式です。ご逝去直後に病院で行う場合もあれば、安置をしてから行う場合、葬儀後の出棺前に行う場合などもあります。

末期の水は、割り箸の先につけた脱脂綿やガーゼを湿らせ、その脱脂綿やガーゼを故人の唇に優しくつけて行うことが一般的です。ただし、宗教や宗派によっては手順が異なるほか、儀式自体を行わない場合もあるため、葬儀社の担当者などに事前に確認しておくとよいでしょう。

自宅安置では、一晩中線香を焚く?

以前は安置期間に線香を絶やしてはいけないという風習もあったものの、現代では線香を焚き続けることは多くありません。むしろ、自宅で一晩中線香を焚き続ければ防災面や遺族の健康面へのリスクが生じるため、一晩中線香を焚き続けることは避けた方がよいでしょう。

まとめ

ご遺体の安置方法の選択肢を紹介するとともに、ご遺体を自宅で安置するメリット・デメリット、ご遺体を自宅で安置する準備などを解説しました。

ご遺体を自宅で安置することには、「故人を最期に自宅に帰らせてあげられる」ことや面会などの制限がないことなど、多くのメリットが存在します。その一方で、温度・湿度の管理が難しいことや近隣住民にご逝去を隠すのが難しいことなど、注意点も少なくありません。

そのため、自宅安置と葬儀社などでの安置のメリット・デメリットの両面を理解したうえで、後悔のない選択をするとよいでしょう。

家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、各葬儀プランの基本料金に最大3日分の安置施設利用料を含んでいます。また、ご遺族が付き添って宿泊できる費用を含んでいるプランも設けています。

ご家族が亡くなり、安置方法でお悩みの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。お電話は、24時間365日いつでも受け付けており、深夜や早朝であってもご遠慮いただく必要はありません。