身寄りがない人は増加傾向にあります。「身寄りがない」人の中には親族が一人もいない場合もある一方で、甥姪などの親族はいるものの頼れる間柄にない場合などもあるでしょう。しかし、身寄りがない人が亡くなった場合、現実問題として誰かがご遺体を火葬する必要が生じます。
では、身寄りがない人が死亡した場合、葬儀はどうなるのでしょうか?また、身寄りがない人の葬儀費用は、誰が負担するのでしょうか?
今回は、身寄りがない人の死亡に関する問題点を紹介するとともに、死亡した直後の対応や身寄りがない人が死亡した場合の葬儀費用の負担者、死亡に備えて講じたい対策などについてくわしく解説します。
なお、当サイト(家族葬のアイリス)は全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、身寄りがない方の葬儀にも対応しています。身寄りがない方の葬儀でお困りの際や葬儀について生前からのご相談をご希望の際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。お電話は、24時間365日いつでも受付中です。
身寄りのない人の死亡に関する問題点
はじめに、身寄りがない人が死亡した場合に生じる可能性がある問題を、整理して紹介します。
- いわゆる孤独死に関する問題
- 葬儀に関する問題
- 納骨に関する問題
- 相続に関する問題
いわゆる孤独死に関する問題
1つ目は、いわゆる孤独死に関する問題です。
身寄りのない人が自宅などで亡くなった場合、周囲に死亡が気付かれず発見が遅れる可能性があります。発見までに時間を要した場合はご遺体の腐敗が進んでおり、大がかりな清掃が必要となる可能性もあるでしょう。
アパートなどの賃借物件である場合、後日不動産オーナーから関係者に対して清掃などの費用が請求されるおそれもあります。
葬儀に関する問題
2つ目は、葬儀に関する問題です。
死亡した人に身寄りがないからといって、ご遺体をそのままにしておくわけにはいきません。まずは自治体などが戸籍などを辿って親族を探し、ご遺体の引き取りを打診することが一般的です。
しかし、葬儀には費用などの負担も生じるため、これまでほとんど付き合いがなかった場合にはご遺体の引き取りを拒否されることも多いでしょう。その場合は、自治体が火葬のみを行うこととなります。
また、中には知人や入所していた施設が自治体から葬祭扶助を受けて火葬をすることもあります。
納骨に関する問題
3つ目は、納骨に関する問題です。
身寄りのない人を火葬すると、遺骨が残ります。自治体が火葬をした場合、遺骨も自治体が一定期間保管することが一般的です。親族が、遺骨を引き取る可能性もあるためです。
親族が遺骨を引き取ることなく所定の保管期間が経過すると、遺骨はいわゆる無縁塚に合祀されます。合祀とは、一般的なお墓のように家族ごとに納骨するのではなく、骨壺から取り出したうえで複数の人の遺骨をまとめて納める埋葬方法です。
他の遺骨と併せて埋葬されるため、原則として後から遺骨を取り出すことはできません。
相続に関する問題
4つ目は、相続に関する問題です。
「身寄りがない」と考えていても、実は相続人がいるケースは少なくありません。配偶者や子ども、孫がおらず父母も他界している場合、兄弟姉妹が相続人となるためです。
相続人となり得る人とその順位は次のとおりです。
- 第0順位:配偶者(存在すれば、第1~第3順位の相続人と一緒に相続人になる)
- 第1順位:子ども。子どもがすでに死亡している場合はその死亡した子どもの子ども(孫)。子どもも孫も死亡している場合は、孫の子ども(ひ孫)
- 第2順位:父母。父母がともに死亡している場合は祖父母
- 第3順位:兄弟姉妹。兄弟姉妹がすでに死亡している場合はその死亡した兄弟姉妹の子ども(甥姪)
なお、離婚した相手が親権を持ち長年会っていない子どもがいる場合、その子どもは相続人です。また、何十年も会っていない甥姪や一度も顔を見たことのない甥姪であっても、相続人となり得ます。相続人となるかどうかに、「日頃から付き合いがあるかどうか」は関係ありません。
想定していなかった人が自分の財産を相続することになる可能性があるため、自分の相続人が誰になるのか事前に確認しておくことをおすすめします。
また、相続人が誰もいない場合、遺産は原則として最終的に国に帰属します。望まない相手が相続人になることを避けたい場合や国に帰属する事態を避けたい場合には、遺言書の作成を検討するとよいでしょう。
身寄りのない人が死亡した直後の対応
死亡した人に家族がいる場合、ご逝去後は家族に連絡が入り家族がご遺体を引き取る(または、葬儀社の安置施設に安置する)ことになります。では、身寄りのない人が死亡した場合、どのように対応されるのでしょうか?ここでは、亡くなった状況別に死亡直後の対応を紹介します。
自宅で死亡した場合
身寄りのない人が自宅で死亡しているのが見つかった場合、発見者が警察に連絡します。周囲へ匂いが漏れ出していることや郵便物が溜まっていることなどから周囲の人が不審に感じて通報し、発見に至る場合も多いでしょう。
警察が到着したら、死因を特定するために検視がなされて「死体検案書」が交付されます。死因が特定できない場合や事件の可能性がある場合は、さらにくわしい司法解剖がなされることもあります。
その後は警察が自治体に連絡し、自治体がご遺体の引き取り手を探します。ご遺体の引き取り手が見つからない場合は、自治体が火葬をして一定期間遺骨を保管します。
病院で死亡した場合
身寄りのない人が病院で死亡した場合、医師によって死亡が確認されて「死亡診断書」が交付されます。
病院で死亡した場合はご遺体は一時的に病院内の霊安室に移されるものの、霊安室が使えるのはご逝去後の数時間程度だけであることが一般的です。
その後は、別の場所に移動させなければなりません。ご遺族がいれば、ご遺族が葬儀社に連絡をして、別の安置場所(ご自宅や、葬儀社の安置施設など)へのご遺体の搬送を依頼することとなります。
そこで、身寄りがない場合は病院から地域包括支援センターや自治体のケースワーカーなどに連絡が入ることになるでしょう。
その後は自治体がご遺体の引き取り手を探します。引き取り手がいなければ自治体がご遺体を火葬し、遺骨を一定期間保管します。
外出先で死亡した場合
身寄りのない人が外出先で死亡した場合、まずは通行人などが警察に連絡することになるでしょう。
警察が到着したら、死因を特定するための検視がなされます。併せて、所持品などから身元や親族の特定作業が行われます。
身元がわからない場合は「行旅死亡人」として官報に掲載されます。
官報に掲載しても本人の身元がわからない場合や身元は分かったもののご遺体の引き取り手が見つからない場合は、病院で亡くなった場合と同じく自治体が火葬します。そのうえで、遺骨が一定期間保管されます。
身寄りのない人が死亡した場合の葬儀費用は誰が負担する?
身寄りのない人が死亡した場合、葬儀費用は誰が負担するのでしょうか?ここでは、葬儀費用の負担者について解説します。
なお、家族葬のアイリスは全国対応で火葬のみを行うシンプルな「火葬式(直葬)プラン」を展開しています。身寄りがない人が死亡して葬儀についてお困りの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。
遠縁の親族や友人などが葬儀をする場合
身寄りがない人であっても、自治体からの訃報を受けて遠縁の親族や友人などが葬儀をする場合は、原則として喪主となる人が葬儀費用を負担します。
ただし、葬儀をする人が扶養義務者ではなく、故人に葬儀費用を拠出できるだけの遺産もない場合は、「葬祭扶助」によって火葬費用が補填される可能性があります。葬祭扶助とは、事前に申請することで火葬費用が自治体から拠出される制度です。
なお、葬祭扶助の対象となるのは火葬だけを行う「直葬」のみであり、費用を足しても通夜や葬儀・告別式を営むことはできません。また、葬儀前の申請が必要です。
葬祭扶助を受けるには一定の要件を満たす必要があります。そのため、扶養義務のない遠縁の親族や友人などを火葬する必要が生じた際は、自治体の福祉課やケースワーカーなどに相談してみるとよいでしょう。
死後事務委任契約に基づいて葬儀をする場合
身寄りのない人の場合、生前に弁護士・司法書士などの専門家や信頼できる友人などと「死後事務委任契約」を締結することがあります。
「委任契約」とは、信頼している相手に法律行為などを任せる契約です。通常の委任契約は、委任者(ここでは、身寄りのない人)が死亡した時点で終了します(民法653条)。
しかし、死後の事務を任せたいのであれば、委任者の死亡によって契約が終了してしまっては困ります。そこで、死後にも効力を消滅しない旨の特約を設けた契約書が、この「死後事務委任契約」です。
死後事務委任契約では、遺体の引き取りや葬儀の施行、納骨などさまざまな手続きを委任できます。
受任者(死後事務を依頼する相手)が仕事として受けている場合、葬儀・納骨などの費用として契約締結時に100万円から200万円程度を預けることが一般的です。このような契約を結んでいる場合には、契約内容に従って預託金から葬儀費用が支払われます。
自治体が葬儀をする場合
葬儀をする親族がいない場合、自治体がご遺体を火葬することになります。この場合の火葬費用は、一時的に自治体が負担します。
ただし、「自治体が負担する」ということは「みんなが支払った税金から火葬費用が支払われる」ということです。そのため、本人に遺産がある場合は、原則としてその遺産で自治体が立て替えた火葬費用が清算されることになります。
また、遺産だけでは火葬費用に満たない場合、親族に火葬費用が請求されることもあります。
身寄りがない人の葬儀を自治体がする場合の注意点
身寄りがない人の葬儀を自治体が行うことになった場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?ここでは、主な注意点を3つ紹介します。
- 火葬だけのシンプルな葬儀となる
- 葬儀費用が遺産から拠出されることがある
- 納骨は原則として合祀となる
火葬だけのシンプルな葬儀となる
1つ目は、火葬だけのシンプルな葬儀になることです。
自治体が葬儀を行う場合、公衆衛生上や尊厳保持の観点から最低限必要とされる「火葬だけの葬儀(直葬)」となります。一般的な葬儀のように、祭壇を設けて斎場で行う通夜や葬儀・告別式などは行われません。
葬儀費用が遺産から拠出されることがある
2つ目は、葬儀費用が遺産から拠出される場合があることです。
身寄りのない人が死亡してご遺体の引き取り手がない場合は自治体が火葬をするものの、これはあくまでもやむを得ない場合の処置だと言えます。ご遺体の引き取り手がないからといって、ご遺体をそのままにしておくことはできないためです。
しかし、先ほど解説したように、自治体が費用を出すということは「みんなが納めた税金から火葬費用を捻出する」ということです。そのため、故人に遺産がある場合は、原則として遺産から火葬費用が清算されることとなります。
また、遺産だけでは火葬費用が賄えない場合、不足分が相続人である親族に請求される可能性もあります。
納骨は原則として合祀となる
3つ目は、納骨は原則として合祀となることです。
自治体が身寄りのない人を火葬した後は遺骨が一定期間保管され、期間中に遺骨の引き取り手が現れない場合は自治体が遺骨を埋葬します。埋葬は複数人の遺骨をまとめて埋葬する「合祀」となるのが原則です。
個別のお墓になされるのではないため、合祀に抵抗がある場合は事前に対策を講じる必要があるでしょう。
身寄りのない人が死亡に備えて検討すべき対策
頼れる親族がいない場合、自分が亡くなった後の対応に不安を感じることも多いでしょう。ここでは、身寄りのない人が講じておきたい主な対策を6つ解説します。
- 近隣住民との関わりの維持
- 見守り契約の締結
- 死後事務委任契約の締結
- 葬儀社への事前相談
- お墓の購入・永代供養契約の締結
- 遺言書の作成
近隣住民との関わりの維持
1つ目は、近隣住民との関わりを維持することです。
近隣住民と関わりを持っておくことで、仮に自宅内で倒れて亡くなったとしても早めに気付いてもらえる可能性が高くなります。積極的にボランティアや地域活動などに参加をして友人をつくるほか、毎日同じ店に通ってコーヒーを飲んだり毎日同じコースをウォーキングして挨拶できる相手を増やしたりすることも有効でしょう。
また、同じ悩みを抱える友人ができれば、毎日決まった時間にお互いに電話をし合い、連絡が取れない場合は駆けつけるなどの対応も検討できます。
見守り契約の締結
2つ目は、見守り契約を締結することです。自宅で亡くなった場合に早期に見つけてもらうためには、見守り契約の締結も検討できます。
見守り契約には定期的に人が電話をくれる・訪問してくれるもののほか、毎日決まった時間に自動音声の電話がかかり健康状態をボタンの操作で回答するものや冷蔵庫の使用状況などから異変があった際に自動で通報されるものなど、さまざまなものがあります。
予算や生活スタイルに合った、無理のないものを選択して契約するとよいでしょう。
死後事務委任契約の締結
3つ目は、死後事務委任契約の締結です。身寄りがない人が死亡に備えるためには、死後事務委任契約の締結は必須であるといえるでしょう。
死後事務委任契約とは、死後のさまざまな手続きを専門家や友人などに任せる(委任する)契約です。具体的に何を任せるかは契約内容によって異なるものの、たとえば次の内容などが検討できます。
- 遺体の引き取りに関する事務
- 通夜、告別式、火葬に関する事務
- 納骨、埋葬、永代供養に関する事務
- 医療費・老人ホーム等の施設利用料の支払いに関する事務
- 家賃・地代・管理費等の支払いと敷金・保証金等の支払いに関する事務
- 死亡届の提出など、行政手続きに関する事務
たとえば、事前に永代供養の契約を締結したり葬儀社を決めたりしたうえで、死後事務委任契約に具体的な寺院名や葬儀社名などを盛り込むことも可能です。委任者(本人)が亡くなった後、受任者は契約内容に従って葬儀や死後の手続きなどを行います。
専門家を受任者として死後事務委任契約を締結するには費用もかかるため、事前に費用を確認したうえで受任者を誰にするか検討するとよいでしょう。
葬儀社への事前相談
4つ目は、葬儀社への事前相談です。
死後事務委任契約の締結などによって葬儀を知人や専門家などに任せる場合、「何でもよい・どこでもよい」と言われても受任者が困ってしまうことも多いでしょう。そこで、生前のうちから葬儀社に相談をしておくことが検討できます。
事前に葬儀社を見つけて葬儀プランについて相談し、決めた内容を死後事務委任契約に盛り込んだり受任者に伝えておいたりすることで、希望の葬儀が実現しやすくなります。
なお、家族葬のアイリスはご生前からのご相談や資料請求にも対応しています。生前のうちから葬儀について考えておきたいとご希望の際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。
お墓の購入・永代供養契約の締結
5つ目は、お墓を購入したり永代供養契約を締結したりすることです。
死後事務委任契約を締結するにあたっては、事前に自分の「埋葬先」も決めておくとスムーズです。お墓を購入したり永代供養契約を締結したりしたうえで、死後事務委任契約に具体的な埋葬先を指定しておくと良いでしょう。
遺言書の作成
6つ目は、遺言書の作成です。遺言書とは、自分の死後の財産の「行き先」を生前のうちに指定しておく書類です。
有効な遺言書があれば、法律上の相続人ではない友人などにも死後に財産を渡せます。また、活動を応援したい団体などへの寄付(遺贈)も可能です。
「面識のない相続人に遺産が渡るくらいなら(国に全財産が渡るくらいなら)、遺産の行き先を自分で決めたい」と考えているのであれば、遺言書の作成も検討するとよいでしょう。
身寄りがない人の死亡に関するよくある質問
最後に、身寄りがない人の死亡に関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。
身寄りがない人が死亡した場合は誰が葬儀をする?
身寄りがない人が死亡したもののご遺体を引き取った親族などがいる場合は、その親族などが葬儀をします。ご遺体の引き取り手がいない場合は、自治体がご遺体を火葬します。
身寄りがない人の死亡届は誰が出す?
身寄りがない人が死亡した場合、死亡届は家主や地主、家屋管理人、土地管理人などが提出します。後見人や保佐人、補助人、任意後見人、任意後見受任者などが出す場合もあります。
また、警察から自治体に死亡通知がなされた場合には、死亡届を出す必要はありません。
まとめ
身寄りがない人が死亡した場合の問題点や身寄りがない人が死亡した場合の初期対応、身寄りのない人の葬儀費用の負担者などについて解説しました。
身寄りのない人が死亡すると、まずは自治体などによってご遺体の引き取り手が探されます。ご遺体の引き取り手が見つかった場合はその人が葬儀などを行い、引き取り手がいない場合は自治体が火葬します。
身寄りがない人が亡くなると遠縁の親族などにまで連絡が入る可能性があるほか、満足な葬儀もしてもらえない可能性が高いでしょう。このような事態に備えるため、生前から死後事務委任契約を締結したり葬儀社に相談したりするなどの対策を講じておくことをおすすめします。
家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、身寄りがない方の葬儀や生前からのご相談にも対応しています。身寄りがない方が亡くなり葬儀などでお困りの際や、身寄りがなく葬儀について生前から対策を講じたいとお考えの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。
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