葬儀の小規模化や縮小化が進んでおり、「直葬」が選択されるケースも増えています。直葬はご遺族の体調面の都合で所要時間が短いことで選ばれることもあるものの、「葬儀にかける費用をできるだけ抑えたい」という理由から選ばれることも多いでしょう。
費用面から直葬を選択する場合、戒名を授かったり僧侶に読経を依頼したりすることで費用が嵩む事態を避けたいと考えるかもしれません。
では、直葬の葬儀であっても戒名は必要なのでしょうか?また、直葬で戒名がない場合、どのようなデメリットが生じるのでしょうか?今回は、戒名の基本や直葬の葬儀で戒名が必要となるケース、直葬で戒名が不要であるケース、直葬の葬儀で戒名を授からない場合のデメリットなどについてくわしく解説します。
なお、家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、リーズナブルな「火葬式(直葬)プラン」を展開しています。直葬をご希望の際や、戒名の要否などについても相談できる葬儀社をお探しの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にお問い合わせください。お電話は、24時間365日いつでも受付中です。
直葬の葬儀とは?
直葬とは、通夜や葬儀・告別式などの儀式を執り行わず、火葬だけを行う葬儀形態です。火葬だけを行う弔いの形であることから、「火葬式」と呼ばれることもあります。
直葬では、安置場所でご遺体を棺に納めたら火葬場へ向けて出棺します。火葬場へ到着したら、故人と最期のお別れをする短い「納めの式」を行い、故人を荼毘に付します。
この際、僧侶を手配して読経やお焼香をしてもらうこともあるものの、僧侶を呼ばないことも少なくありません。読経をしてもらう場合であっても、葬儀・告別式で行われる通常の長さの読経ではなく、5分から10分程度の短いものとなることがほとんどです。
火葬を終えたら、ご遺族が2人1組となってお骨を専用の箸で拾い上げて骨壺に納める「収骨」を行います。収骨には、主にすべてのお骨を拾い上げる「全収骨」と一部のお骨だけを納める「部分収骨」があります。地域によって収骨の風習は異なるため、事前に葬儀社の担当者などにその地域の収骨方法を確認しておくとよいでしょう。
このように、直葬はもっともシンプルで行う儀式も少ない葬儀形態です。そのため、冒頭で解説したように、ご遺族の中に高齢の方や体力に自信のない方がいる場合に、葬儀の所要時間を最短とすることを目的として選択されることが少なくありません。
また、もっとも費用を抑えやすい葬儀形態であることから、「葬儀にかけられるお金がない」や「葬儀にかけるお金を最小限に抑えたい」などの理由から選ばれることもあります。
家族葬のアイリスはリーズナブルな「火葬式(直葬)プラン」を展開しており、直葬について豊富なサポート実績を有しています。費用を抑えた直葬をご希望の際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。
「戒名」の基本
直葬とする場合、戒名をつけるべきか否か迷うことも多いと思います。しかし、戒名の意味を知らなければ、戒名が必要であるか不要であるか判断するのも用意ではありません。
では、そもそも戒名とはどのようなものであり、どのような目的で授かるのでしょうか?ここでは、戒名の基本について解説します。
戒名とは?
戒名(かいみょう)とは、仏界におけるお名前であり、仏弟子になった証として授かるものです。これに対して、故人のこの世でのお名前を「俗名」といいます。
詳細は宗派などによって異なるものの、仏教では極楽浄土へ行くことこそが重要であるとされています。そして、極楽浄土に辿り着くためには、戒名がなければなりません。戒名がないということは、仏弟子になっていないことを意味するためです。
戒名は本来、亡くなった時に授かるものではなく、出家した際に授かるものでした。しかし、それでは出家をしない大多数の人が極楽浄土に到達できないことになってしまいます。そこで、亡くなった際に戒名を授かることで、生前に出家をしていなくても極楽浄土への切符を手にできると考えられるようになりました。
授かった戒名は、葬儀や法要などの読経で読み上げられます。また、お位牌や墓石にも刻まれることが一般的です。
戒名には位があり、位によって金額も異なる
戒名は原則として、菩提寺の住職から授かるものです。戒名を授かる際は、菩提寺に戒名料(お布施)を納めなければなりません。
そして、戒名には位があり、授かる戒名の位によって妥当とされる金額が異なります。細かな決まりは宗派によって異なるものの、男性では「院居士(いんこじ)」、女性では「院大姉(いんたいし)」がもっとも位が高く、戒名料も100万円以上が必要となることが多いでしょう。
一方で、もっとも一般的な戒名は、男性は「信士(しんし)」、女性は「信女(しんにょ)」であり、これは10万円から50万円程度で授かれることが一般的です。
宗派によっては「戒名」ではなく「法名」など別の呼び方がされる
仏教において、多くの宗派では仏弟子となった証の名前を「戒名」と呼びます。
ただし、浄土真宗では「法名」と呼ぶなど、宗派によって呼び方が異なる場合があります。そのため、故人の宗派に従ってあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
直葬の葬儀で戒名が必要となるケース
直葬の葬儀では戒名を授からないことも多いものの、なかには戒名が必要となるケースもあります。ここでは、直葬で戒名が必要なケースを3つ紹介します。
- 菩提寺のお墓やお寺のお墓に納骨したい場合
- 四十九日法要や一周忌法要を行いたい場合
- 遺族が「戒名は必要だ」と考えている場合
菩提寺のお墓やお寺のお墓に納骨したい場合
直葬で戒名が必要となるケースの1つ目は、菩提寺のお墓やお寺の一般墓に納骨したい場合です。
直葬であるか一般葬であるかなどを問わず、菩提寺など寺院の一般墓に納骨したい場合は、戒名が必要となることが一般的です。一般墓とは一般的にイメージするお墓であり、「〇〇家之墓」などと刻まれた墓石を建てて埋葬するお墓です。一般墓は、子孫などが代々承継していくことが一般的です。
戒名がない場合は一般墓への納骨が認められない可能性があるため、菩提寺がある場合など寺院が管理する一般墓に納骨したい場合には、戒名が必要であると考えておくとよいでしょう。
費用面などの事情から戒名を授かることが難しい場合は、事前に菩提寺などに相談しておくことをおすすめします。
四十九日法要や一周忌法要を行いたい場合
直葬で戒名が必要となるケースの2つ目は、四十九日法要や一周忌法要を行いたい場合です。
四十九日法要とは、亡くなってから49日目に行う法要です。仏教において、死後はご逝去から7日が経過するごとに極楽浄土へ行けるか否かの審判がなされ、その7回目にあたる49日目に最終的な審判がなされることとされています。
そのため、四十九日は特に大きな区切りとなる法要であり、近年でも省略されずに行われることが多いでしょう。
同様に、一周忌法要は故人が亡くなってからちょうど1年後になされる法要です。こちらも1つの区切りとして行われることが多いといえます。
しかし、戒名がない場合は寺院に四十九日法要や一周忌法要を引き受けてもらえない可能性が高く、僧侶を呼んでの法要は行えないことが多いでしょう。そのため、四十九日法要や一周忌法要などの法要を執り行いたいのであれば、原則として戒名は必要となります。
遺族が「戒名は必要だ」と考えている場合
直葬で戒名が必要となるケースの3つ目は、ご遺族が「戒名は必要だ」と考えている場合です。
ご先祖が戒名を授かっている場合などには、故人だけ戒名がないことに違和感を覚える場合もあるでしょう。敬虔な仏教徒などではなかったとしても、戒名がないことが何となく気に掛かるのであれば、直葬であっても戒名を授かることをおすすめします。
直葬の葬儀で戒名が不要であるケース
直葬で葬儀をする場合、故人が仏教徒でなければ戒名は必要ありません。戒名はそもそも仏教の教えによるものであるため、故人が神道やキリスト教など他の宗教を信仰している場合や信仰している宗教が特にない場合には、つける必要はないでしょう。
ただし、主観的には無宗教であっても菩提寺があるのであれば、先ほど解説したように原則として戒名が必要です。戒名がなければ、菩提寺への納骨が困難となるためです。
家族葬のアイリスは全国対応で「火葬式(直葬)プラン」を展開しており、特に信仰する宗教がない方の葬儀についても豊富なサポート実績を有しています。直葬をご検討の際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。
直葬の葬儀で戒名をつけたい場合はどうする?
直葬の葬儀で戒名をつけたい場合、どのようにすればよいのでしょうか?ここでは、直葬で戒名を授かりたい場合の対応を解説します。
菩提寺がある場合:菩提寺に相談する
菩提寺がある場合、戒名は菩提寺から授かることが一般的です。そのため、直葬での読経をお願いするのと併せて、戒名の授与もお願いしておくとよいでしょう。
なお、戒名はあればよいというものではありません。そのため、菩提寺があるにも関わらず、他の寺院から戒名を授かったり自分で戒名を付けたりした場合には、納骨を断られるなどのトラブルに発展するおそれがあります。
また、菩提寺はないものの寺院が管理する一般墓への埋葬を希望する場合には、その一般墓を管理する寺院などに相談しておくとよいでしょう。
菩提寺がない場合:葬儀社に相談する
菩提寺がない場合に戒名をつけたい場合は、直葬を依頼する葬儀社に依頼するとよいでしょう。葬儀社に相談することで、戒名の授与や読経を依頼できる僧侶を紹介してもらえる可能性があります。
家族葬のアイリスはリーズナブルな「火葬式(直葬)プラン」を全国対応で展開しているほか、僧侶の紹介や永代供養、海洋散骨など葬儀前後の困りごとのサポートも行っています。直葬をご希望の際や、戒名や永代供養についても相談できる葬儀社をお探しの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご連絡ください。
直葬の葬儀で戒名を授からない場合のデメリット
直葬の葬儀で戒名を授からないことには、さまざまなデメリットがあります。デメリットも理解したうえで、戒名を付けるか否か検討するとよいでしょう。ここでは、直葬の葬儀で戒名を授からない主なデメリットを4つ解説します。
- 親族から非難される可能性がある
- 四十九日法要などが行えない
- 遺族が何となく気がかりとなる可能性がある
希望するお墓に納骨できない可能性がある
先ほど解説したように、お寺が管理する一般墓に納骨するには、戒名が必要とされることが少なくありません。そのため、戒名を授からない場合、希望していたお墓に納骨できない可能性があります。
納骨したいお墓がある場合には、納骨のために戒名が必須であるか否かお墓の管理者に事前に確認しておくことをおすすめします。
親族から非難される可能性がある
代々戒名を授かって菩提寺のお墓に納骨してきている場合、戒名を授からないことで親族から非難されるおそれがあります。そのため、特に代々お寺との付き合いがある場合には、親族にも相談したうえで戒名を授かるか否か検討するとよいでしょう。
四十九日法要などが行えない
戒名がない場合、菩提寺などに四十九日法要を引き受けてもらえない可能性があります。そのため、僧侶を呼んで四十九日法要を行いたいのであれば、戒名を授かっておく方がよいでしょう。
遺族が何となく気がかりとなる可能性がある
戒名を授からない場合、ご遺族にとって気がかりとなる可能性があります。
敬虔な仏教徒ではなかったとしても、戒名を授かってこれを位牌や墓石に記載することや僧侶を呼んで四十九日法要をすることなどが、「普通」であると感じていることもあるでしょう。その場合、戒名を授からないことで「故人を十分に供養できなかったのではないか」などと感じて後悔するおそれがあります。
直葬の戒名に関するよくある質問
最後に、直葬の戒名に関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。
直葬では戒名がなくても納骨できる?
戒名がなくても納骨ができるか否かは、納骨をしたいお墓によって異なります。
寺院が管理する一般墓の場合、戒名がないと納骨が認めらない可能性が高いでしょう。一方で、市町村などが管理する公営墓地や永代供養墓、納骨堂への納骨では、原則として戒名は必要ありません。
そのため、納骨したいお墓がある場合は、戒名がなくても納骨できるかどうか事前に確認しておくことをおすすめします。
なお、家族葬のアイリスは直葬のサポートを行っているほか、納骨堂や永代供養のご案内も可能です。直葬のほか納骨についても相談できる葬儀社をお探しの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にお問い合わせください。
戒名は自分でつけてもよい?
戒名は、自分でつけることも可能です。ただし、「自分で戒名を付けられるか否か」と「自分で戒名をつけることで納骨や四十九日法要ができるか否か」は別の問題であることに注意しなければなりません。
戒名は「あればよい」というものではないためです。自分でつけた戒名では菩提寺への納骨や四十九日法要での読経などが行えない可能性があるため、自分で戒名を付けたい場合は、菩提寺などに事前に確認しておくことをおすすめします。
まとめ
直葬の概要や戒名の基本、直葬で戒名が必要なケースや不要なケース、戒名がないことで生じ得るデメリットなどを解説しました。
戒名とは、仏弟子になった証として授かる仏界におけるお名前です。戒名は、故人のあの世でのお名前となるほか、お位牌やお墓にも刻印することが一般的です。直葬の場合は葬儀費用をできるだけ抑えたい場合も多いため、直葬の場に僧侶を呼ばず、戒名を授からないことも多いでしょう。
しかし、直葬で戒名がない場合、菩提寺から納骨を断られてトラブルとなる可能性があります。また、四十九日法要を営むことも難しくなるでしょう。そのため、菩提寺がある場合や寺院が管理する一般墓への納骨を希望する際には、直葬であっても戒名を授かることが一般的です。戒名の費用は宗旨や宗派、授かる戒名の位などによっても異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
なお、家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、リーズナブルに直葬を行える「火葬式(直葬)プラン」を展開しています。また、戒名や永代供養、海洋散骨に関するご相談やサポートも可能です。
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