「密葬」と「直葬」の違いは?お葬式形態の選び方と併せてわかりやすく解説

「密葬」と「直葬」の違いは?お葬式形態の選び方と併せてわかりやすく解説

お葬式の形には、密葬や直葬、家族葬などさまざまなものが存在します。葬儀形態が多様化することでニーズに合った葬儀を実現しやすくなる反面、さまざまな葬儀形態の中から自分に合った葬儀形態を見つけるのに苦慮するケースも少なくないようです。特に、密葬や直葬、家族葬については誤解や混同も散見されます。

では、密葬と直葬、家族葬はそれぞれどのような葬儀形態を指し、どのような点で異なるのでしょうか?また、密葬と直葬には、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?今回は、密葬と直葬に焦点を当てて違いやメリット・デメリットを解説するとともに、ケース別のおすすめの葬儀形態を紹介します。

なお、当サイト(家族葬のアイリス)は全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、密葬や直葬、家族葬などさまざまな葬儀形態に対応しています。施行する葬儀の形でお悩みの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。ご逝去後のご相談はもちろんのこと、ご生前のご相談や資料請求にも対応しています。

密葬とは?

密葬とは、秘密裡に行う葬儀を指します。

伝統的な葬儀(「一般葬」といいます)は、故人との関係性の濃淡などに関わらず誰でも自由に参列できるのが原則です。参列にあたって、遺族の承諾を得る必要もありません。

一方で、密葬は周囲にご逝去を知らせることなく近親者だけで葬儀を執り行うため、一般参列者は参列できません。ただし、密葬はその後に「お別れの会」や「偲ぶ会」などを執り行うのが前提であることが多いため、一般参列者はこのお別れの会などに参列することとなります。

このような性質から、すぐにご逝去を知らせれば葬儀の場に多くの人が詰めかけて混乱が生じかねないケースで密葬が選ばれることが多いでしょう。たとえば、芸能人などの著名人が亡くなった場合や、大企業の創業者・役職者が亡くなった場合などです。

直葬(火葬式)との違い

直葬(火葬式)とは、通夜や葬儀・告別式などの儀式を行わず、火葬だけを行う葬儀形態です。さまざまな葬儀形態の中でもっともシンプルであり費用も掛かりにくい葬儀形態であるといえます。

直葬と密葬の最大の違いは、後日「お別れの会」などを執り行うか否かにあります。密葬は後日のお別れの会などを前提とする一方で、直葬は後日のお別れの会などを前提としません。

また、その目的なども異なるため、実際には「直葬としようか、密葬としようか」と迷うことは少ないでしょう。「葬儀を安価に済ませたい」や「葬儀をシンプルに済ませたい」という場合に検討するのが直葬であり、「周囲にすぐにご逝去を伝えれば混乱が生じかねないため、まずは秘密裡に行う」のが密葬です。

家族葬との違い

家族葬とは、遺族が事前に声を掛けた一部の近親者だけが参列できる葬儀です。一般葬とは異なり、一般参列者は参列できません。

秘密裡に行う葬儀であるという点では、密葬と家族葬は共通しています。ただし、家族葬は後日の「お別れの会」などを前提としない点で、密葬と大きく異なります。

なお、従来はお別れの会などを前提としない家族葬も、一律に「密葬」と呼ばれていました。しかし、単に「密葬」とだけいった場合には後日お別れの会などが開かれるか否かがわからず、誤解や混乱が生じかねません。そこで、「お別れの会を前提としない密葬」が、家族葬と呼ばれるようになりました。

家族葬のアイリスは、密葬や直葬、家族葬などさまざまな葬儀形態に対応しています。ご家族が亡くなり、葬儀形態でお悩みの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。

密葬のメリット

ここからは、密葬と直葬について、それぞれメリット・デメリットを紹介します。まずは、密葬のメリットを2つ解説します。

  • 近親者だけで落ち着いて故人を見送れる
  • 時間をかけてお別れの会などの準備ができる

近親者だけで落ち着いて故人を見送れる

密葬のメリットの1つ目は、近親者だけで落ち着いて故人を見送れることです。

密葬を選択する場合には故人は著名人などであることが多く、葬儀の前にご逝去の情報が広まれば、多くの人が葬儀の場に詰めかけて遺族が対応に追われる事態となりかねません。密葬とすることで、近親者だけで落ち着いて故人を見送ることが可能となります。

時間をかけてお別れの会などの準備ができる

密葬のメリットの2つ目は、時間をかけてお別れの会などの準備ができることです。

密葬を検討するような著名人の葬儀では、一般参列者が非常に多くなることが予想されます。それほど多くの人が参列する葬儀では大規模な会場の手配も必要となるほか、全体の進行なども慎重に検討する必要があるでしょう。

密葬とする場合、お別れの会などはご逝去から1か月から2か月後あたりで行うことが多いため、多くの人が参列するお別れの会などの準備を十分な時間をかけて行いやすくなります。

密葬のデメリット・注意点

密葬とすることには、デメリットや注意点も存在します。ここでは、密葬のデメリットと注意点を4つ解説します。

  • 費用がかさみやすい
  • 葬儀を事実上2度行うことになるため、遺族の心身の負担が大きくなりやすい
  • 訃報が漏れないよう細心の注意が必要となる
  • 密葬の参列者以外は、ご遺体との最期の対面ができない

費用がかさみやすい

密葬は、後日お別れの会を行うことが前提となります。そのため、葬儀を事実上2回行うことになるため、費用が嵩みやすくなります。

ただし、お別れの会などは社葬の形態で行うことが多く、社葬の場合は会社が施主(費用の負担者)となることが一般的でしょう。

葬儀を事実上2度行うことになるため、遺族の心身の負担が大きくなりやすい

先ほど解説したように、密葬とする場合は後日お別れの会を執り行うため、遺族としては葬儀を2度執り行うこととなります。また、お別れの会では施主は会社となることが多い一方で、遺族は喪主として挨拶をしたり参列者にお礼を伝えたりすべきことが多いでしょう。そのため、遺族の心身の負担が大きくなる可能性があります。

訃報が漏れないよう細心の注意が必要となる

密葬とする場合は、葬儀を終えるまで訃報が漏れないよう細心の注意を払わなければなりません。密葬であるにもかかわらず事前に訃報が漏れることがあれば、密葬会場に関係者が詰めかけるなどして遺族が対応に追われることとなるおそれが生じるためです。

そのため、密葬とする場合には情報の取り扱いに細心の注意を払うとともに、密葬の施行実績のある葬儀社に依頼することをおすすめします。

家族葬のアイリスはさまざまな葬儀形態に対応しており、密葬への対応も可能です。密葬をご検討の際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。

密葬の参列者以外は、ご遺体との最期の対面ができない

密葬の場合には密葬の段階でご遺体を荼毘(だび)に付すこととなります。そのため、お別れの会などではご遺体ではなく、遺骨を供養の対象とすることが一般的です。また、会場の都合などから遺骨の持ち込みもできず、故人の写真が供養の対象となることもあります。

いずれにしても、お別れの会では故人はすでに遺骨となっているため、密葬の参列者以外はご遺体と最期の対面をすることはできません。

直葬のメリット

次に、直葬のメリットとデメリットを解説します。ここでは、直葬のメリットを2つ紹介します。

  • 費用を抑えやすい
  • 遺族・参列者の身体的な負担を軽減しやすい

費用を抑えやすい

直葬のメリットの1つ目は、費用を抑えやすいことです。

直葬では通夜や葬儀・告別式などの儀式を行わないため、斎場や祭壇などが必要ありません。また、僧侶を手配して火葬炉の前などで読経してもらう場合もある一方で、僧侶を呼ばない場合もあります。

そのため、直葬はもっとも費用を抑えやすい葬儀形態であるといえます。

遺族・参列者の身体的な負担を軽減しやすい

直葬のメリットの2つ目は、遺族や参列者の身体的な負担を軽減しやすいことです。

直葬は通夜や葬儀・告別式を行わないため、所要時間が最も短い葬儀形態です。そのため、たとえば体調面などの事情から長時間の葬儀に耐えることが難しい遺族・参列者がいる場合であっても、対応しやすいといえます。

直葬のデメリット・注意点

直葬には、デメリットや注意点もあります。これらを理解せずに直葬を選択すれば、「こんなはずではなかった」と後悔するかもしれません。ここでは、直葬の主なデメリットと注意点を5つ解説します。

  • 十分なお見送りができなかったと感じ、後悔する可能性がある
  • 菩提寺とトラブルとなる可能性がある
  • 親族から苦言を呈される可能性がある
  • 後日、自宅などに弔問客が訪れる可能性がある
  • 病院からすぐに火葬場に出向けるわけではない

十分なお見送りができなかったと感じ、後悔する可能性がある

直葬では通夜や葬儀・告別式などの儀式を行わず、安置場所から直接火葬場に向かいます。また、火葬場には僧侶を呼ばないことも多く、僧侶を呼ぶ場合であっても5分から10分程度の短い読経となることが一般的です。

そのため、「あっという間に火葬されてしまった」「十分な供養ができなかった」などと感じて後悔するおそれがあります。

菩提寺とトラブルとなる可能性がある

寺院が管理するお墓に納骨するには、葬儀での読経や戒名の授与などが条件とされていることが少なくありません。そのため、菩提寺があるにもかかわらず菩提寺に無断で直葬を決行すれば、菩提寺から納骨を断られるなどのトラブルに発展しかねません。

そのような事態を避けるため、菩提寺がある場合には、直葬に決める前に菩提寺に相談しておくべきでしょう。

親族から苦言を呈される可能性がある

直葬は簡易的な葬儀であることから、親族から苦言を呈され、関係が悪化するおそれがあります。そのため、今後も親族との関係を良好に保ちたいのであれば、直葬をしようとしていることを事前に親族に相談し、理解を得るよう努める必要があるでしょう。

後日、自宅などに弔問客が訪れる可能性がある

直葬では火葬場へ直接出向くことになるため、参列者の範囲は自ずと近親者のみに限定されます。そのため、参列が叶わなかった人が後日自宅などへ弔問に訪れ、対応に追われるかもしれません。

後日の対応の負担を避けるには、直葬ではなく一般参列者を招く「一般葬」としたり、後日お別れの会を行う密葬としたりすることも検討するとよいでしょう。

病院からすぐに火葬場に出向けるわけではない

直葬について、「ご逝去場所の病院からそのまま火葬場に向かえる」という誤解が散見されます。しかし、たとえ直葬であっても、病院から直接火葬場に向かえることはほとんどありません。なぜなら、日本では「墓地埋葬法」の規定によりご逝去から24時間は火葬できないとされているうえ、病院の霊安室が使えるのはご逝去後数時間程度であることが多いためです。

そのため、直葬であっても、一時的には別の場所へご遺体を搬送し、安置する必要が生じます。安置場所は、ご自宅か、葬儀社の安置施設とすることが多いでしょう。

葬儀社の安置施設を利用する場合、その利用料がかかる可能性があるため、安置施設の利用料についても事前に確認しておくことをおすすめします。

なお、家族葬のアイリスは直葬(火葬式)プランの基本料金に最大3日分の安置施設利用料が含まれているため、この期間内の安置であれば安置に関して追加料金は発生しません。直葬をご検討の際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。

【状況別】おすすめのお葬式形態

ここまでで、密葬と直葬、家族葬について概要を解説したものの、自分に合った葬儀プランがわからないという人も多いでしょう。そこでここでは、状況別に、おすすめの葬儀形態を紹介します。

  • 著名人や大企業創業者などが亡くなり、まずは秘密裡に葬儀をしたい場合:密葬+お別れの会
  • 家族だけで故人をゆっくり見送りたい(後日のお別れの会などは想定しない)場合:家族葬
  • 葬儀費用を最小限に抑えたい場合:直葬

なお、家族葬のアイリスは密葬や直葬、家族葬などさまざまな葬儀プランを展開しており、ご希望やご予算にあったプランの提案も可能です。ご家族が亡くなり、葬儀の形態でお悩みの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。

著名人や大企業創業者などが亡くなり、まずは秘密裡に葬儀をしたい場合:密葬+お別れの会

著名人や大企業の創業者などが亡くなり、周囲の混乱を避けるためにまずは秘密裡に葬儀をしたい場合には、「密葬+お別れの会」の形態がおすすめです。

まずは近親者だけで秘密裡に葬儀を執り行い、葬儀を終えてから世間にご逝去を公表します。その後、改めて一般参列者が参列できる「お別れの会」などを開催します。

家族だけで故人をゆっくり見送りたい(後日のお別れの会などは想定しない)場合:家族葬

家族だけで故人をゆっくりと見送りたいとお考えの際は、「家族葬」がおすすめです。家族葬では遺族が事前に声を掛けた人だけが参列することになるため、遺族が一般参列者の対応に追われることなく故人を見送りやすくなります。

葬儀費用を最小限に抑えたい場合:直葬

葬儀費用を最小限に抑えたいとお考えの際は、「直葬」が有力な選択肢になります。直葬では儀式としての通夜や葬儀・告別式を行わないため、葬儀費用を最小限に抑えられます。

ただし、先ほど解説したように直葬には注意点も少なくないため、デメリットや注意点も理解したうえで検討すべきでしょう。

密葬・直葬に関するよくある質問

最後に、密葬や直葬に関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。

葬儀形態は誰が決める?

葬儀形態を決めるのは、原則として喪主です。

ただし、喪主が独断で決めれば周囲との確執が生じる可能性があるため、必要に応じて菩提寺や親族、近しい関係者などと相談するとよいでしょう。

密葬や直葬の場合、周囲への訃報はいつ伝える?

密葬や直葬とする場合、参列をする近親者以外には、葬儀を終えてから訃報を伝えるのが原則です。葬儀に先立って訃報を伝えてしまうと、葬儀の場に一般参列者が訪れたり多くの問い合わせがあったりして、対応に追われることとなる可能性があるためです。

まとめ

密葬や直葬、家族葬の概要や、密葬と直葬のメリット・デメリット、状況別のおすすめの葬儀形態などを解説しました。

密葬と直葬、家族葬は混同されやすいものの、それぞれ大きく異なる葬儀形態です。密葬は後日のお別れの会などを前提とする点を理解しておくと、整理がしやすくなるでしょう。葬儀形態でお悩みの際は、菩提寺や親族、葬儀社の担当者などに相談することで、状況やニーズに合った葬儀形態の判断がしやすくなります。

家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、密葬や直葬、家族葬などさまざまな葬儀形態に対応しています。ご家族が亡くなり、執り行う葬儀の形態でお浪の際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。

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