直葬式とは?一般的な流れや費用、注意点をわかりやすく解説
葬儀に時間や費用をかけたくないとお考えの場合や、時間や費用をかけられない事情がある場合などには、直葬式が選択肢の一つとなります。
では、直葬式とはどのような葬儀形態なのでしょうか?また、直葬式を選択することには、メリット・デメリットがあるのでしょうか?
今回は、直葬式の概要や直葬式を選択するメリット・デメリット、直葬式の一般的な流れなどについてくわしく解説します。
直葬式とは
直葬式(ちょくそうしき)とは、儀式としての通夜や葬儀を行わず、火葬のみを行う弔いの形態です。火葬のみを行うことから、「火葬式」とも呼ばれます。
宗教儀式をまったく行わない場合もある一方で、火葬炉の前で読経やお焼香などをしてもらう場合もあります。一般的な葬儀と比較して費用や時間を抑えやすくなる反面、十分なお別れの時間がとれず後悔するリスクなどもあります。
1日葬との違い
直葬との選択肢にのぼりやすいのが、「1日葬」です。1日葬とは、参列者を招いての通夜を執り行わず、葬儀・告別式と火葬のみを行う弔いの形態です。
一般的な葬儀は、1日目に通夜、2日目に葬儀・告別式と火葬を行います。このうち通夜にあたる日の儀式を行わないため「1日葬」と呼ばれます。
直葬式とは異なり、1日葬では葬儀や告別式は通常どおり執り行います。
家族葬との違い
直葬式と混同されやすいものに、「家族葬」があります。家族葬とは、故人の家族や親族など近しい者だけが参列する葬儀です。
ただし、参列者の範囲に厳密な決まりはなく、故人の親しい友人までが参列するものを「家族葬」と呼ぶこともあります。
直葬式や1日葬が執り行う儀式の内容による葬儀の種類であるのに対し、家族葬は参列者の範囲による葬儀の種類を指すものです。そのため、直葬式と家族葬は対立する概念ではなく、「直葬式で、家族葬」ということもあり得ます。
むしろ、直葬式に多くの者が参列することは現実的ではないため、直葬式は原則として家族葬として執り行うこととなるでしょう。
直葬式にかかる費用の目安
直葬式にかかる費用の目安は、20万円から50万円程度です。費用に幅があるのは、一口に「直葬式」といっても、その内容は状況によって異なるためです。
たとえば、ご自宅で安置するためご安置場所が必要なく、また僧侶などによる読経も不要である場合には最低限の費用に抑えやすいでしょう。一方で、火葬までのご安置場所が必要であり、また火葬炉の前で読経などをしてもらう場合などには、費用が嵩みやすくなります。
「直葬式だから安い」と思い込むのではなく、信頼できる葬儀社からあらかじめ詳細な見積もりをとることをおすすめします。
家族葬のアイリスでは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、直葬式についてのサポート実績も豊富です。また、プランにははじめから直葬式の施行に最低限必要な物品やサービスが含まれており、後から不明瞭な追加料金を請求することもありません。
明朗会計で安心して任せられる葬儀社をお探しの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。お電話は24時間365日お受けしており、早朝や深夜のご連絡も可能です。
直葬式のメリット
直葬式とすることには、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、直葬式の主なメリットを2つ紹介します。
- 費用を抑えやすい
- 遺族の負担を軽減しやすい
費用を抑えやすい
直葬式の最大のメリットは、費用を抑えやすいことです。
直葬式の場合には、斎場や祭壇などを用意する必要がありません。また、通夜の後で参列者をもてなす食事である「通夜振る舞い」や、参列者に渡すお礼である会葬御礼品なども省略できます。さらに、読経をお願いしない場合には僧侶の費用も掛かりません。
そのため、一般的な葬儀と比較して、費用を抑えやすいといえます。
遺族の負担を軽減しやすい
直葬式には、遺族の負担を軽減しやすいというメリットもあります。
葬儀や告別式を執り行えば、火葬に要する時間に加えて少なくとも1時間程度の時間を要します。そのため、ご遺族の健康状態などによっては、一般的なスケジュールでの葬儀を執り行うことが身体的な負担となる場合もあるでしょう。
また、遠方からの参列者が通夜と告別式の両日に参列するためには、宿泊先も確保しなければなりません。このような遺族・親族の負担を軽減するため、直葬式とする場合もあります。
直葬式のデメリット・注意点
直葬式には、デメリットや注意点もあります。安易に直葬式を選択して後悔しないよう、直葬式とする際はデメリットも十分に理解したうえで検討することをおすすめします。ここでは、直葬式の主なデメリットと注意点を4つ解説します。
- 菩提寺との関係が悪化する可能性がある
- 親族から反対される可能性がある
- ゆっくりお別れできず後悔するおそれがある
- 場合によってはさほど費用が安くならない可能性がある
菩提寺との関係が悪化する可能性がある
1つ目は、菩提寺との関係が悪化するおそれがあることです。菩提寺がある場合は無断で直葬式にすることは避け、あらかじめ菩提寺に事情を説明して理解を得ておくべきでしょう。
直葬式が菩提寺やその宗派の考えにそぐわない可能性があり、無断で直葬式とすれば菩提寺との関係が悪化するおそれがあるためです。
菩提寺との関係が悪化すれば、そのお寺が管理する先祖代々のお墓への納骨を断られるかもしれません。
また、関係が悪化したからといって、先祖の遺骨を簡単には改葬できない点にも注意が必要です。改葬にはお寺の許可が必要であるため、改葬しようにも菩提寺の承諾が得られなかったり高額な離檀料を請求されたりして、大きなトラブルに発展する可能性があります。
親族から反対される可能性がある
2つ目は、親族から反対される可能性があることです。
直葬式は、伝統的な葬儀の在り方とはいえません。そのため、菩提寺との関係を重視する親族や伝統的な形式で葬儀を執り行うべきであると考える親族、世間体を重視する親族などがいる場合には、直葬式に対して強く反対される可能性があります。
そのような親族がいるにもかかわらず、無断で直葬式を決行すれば、親族との関係が悪化するおそれがあるでしょう。そのため、直葬式にしようとする場合には、あらかじめ近しい親族に事情を話し、理解を得ておくことをおすすめします。
ゆっくりお別れできず後悔するおそれがある
3つ目は、ゆっくりお別れができなかったと感じ、後悔するおそれがあることです。
直葬式では原則として、僧侶による読経やお焼香は行われません。火葬場に僧侶に来てもらい火葬炉の前で読経などをしてもらうことはできるものの、ゆっくりとしたお別れとは言い難いでしょう。
あっという間に火葬の時間となってしまい、お別れの時間の少なさに淋しく感じたりしっかり供養できたのかと不安になったりして、後悔する可能性があります。
場合によってはさほど費用が安くならない可能性がある
4つ目は、場合によってはさほど費用が安くならない可能性があることです。
先ほど解説したように、一般葬と比較して直葬式では費用を抑えやすいといえます。しかし、想定ほど費用が安くならず、「それならせめて1日葬とすればよかった」と後悔するかもしれません。
費用が安くならない主な原因の一つに、ご遺体の安置場所に費用が掛かることが挙げられます。「墓地、埋葬等に関する法律」により、日本ではご逝去後24時間は火葬ができない決まりとなっています。このような法律があることから、たとえ直葬式とする場合であっても、ご逝去後すぐに火葬ができるわけではありません。
また、火葬場は原則として17時には閉まり、火葬には1時間から2時間程度を要します。そのため、たとえば12月1日の17時頃に亡くなった場合には、12月2日の火葬も難しく、火葬は最短でも12月3日となります。
そして、火葬までの期間、ご遺体はどこかで安置しなければなりません。葬儀社や民間の安置施設などで安置した場合には、安置場所の利用費用がかかります。一方で、ご自宅で安置するのであれば安置場所の費用はかからないものの、ご遺体が腐敗しないための対策が必要です。
このような事情から、直葬式であっても想定ほどは費用が安くならない可能性があります。
なお、直葬式の場合は葬儀社に依頼しないことも選択肢の一つにはなるものの、この場合には棺やドライアイス、火葬場までのご遺体の移動手段、白装束、骨壺、火葬場の予約などをすべて自身で手配しなければなりません。そのため、直葬式であっても自身が葬祭ディレクターの資格を有しているなど特別な事業がない限り、葬儀社に依頼した方がよいでしょう。
家族葬のアイリスの「火葬式プラン」にははじめからご逝去後3日間の安置施設使用料が含まれており、不明瞭な追加料金がかかる心配はありません。直葬式をご検討の際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。
直葬式の一般的な流れ
直葬式は、どのような流れで執り行うのでしょうか?最後に、直葬式とする場合におけるご逝去からの一般的な流れを解説します。
- ご臨終
- 葬儀社への連絡
- 安置場所への搬送
- 葬儀プランの打ち合わせ
- 死亡届の提出
- 納棺
- 出棺
- 火葬・骨上げ
ご臨終
ご逝去が確認されると、医師から死亡診断書(入院中以外のご逝去など一定の場合には「死体検案書」)が交付されます。死亡診断書は死亡届の提出に必要となるため、大切に保管してください。
葬儀社への連絡
ご逝去後は、できるだけ早期に葬儀社へ連絡をします。なぜなら、ご逝去後は病院のベッドをそのまま使い続けることはできず病院内の霊安室へ移されますが、この霊安室が使える時間も数時間程度であるためです。
その間に、どこか別の安置場所へご遺体を搬送しなければなりません。安置場所への搬送に自家用車を使うことは現実的ではなく、原則として葬儀社に寝台車を手配してもらうこととなります。
葬儀社は病院から紹介してもらえることが多いものの、必ずしもその葬儀社に依頼しなければならないわけではありません。故人が生前に決めていた葬儀社や、喪主となる遺族が自身で見つけた信頼できそうな葬儀社に依頼することも可能です。
家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、24時間365日体制でご連絡をお受けしております。ご家族が亡くなり葬儀社の選定でお困りの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。直葬式や1日葬にも対応しており、ご希望に合わせて最適なプランをご提案いたします。
安置場所への搬送
葬儀社の担当者が到着したら、葬儀社が手配した寝台車で安置場所へと搬送します。安置場所は、次のいずれかを選択することが多いでしょう。
- 故人のご自宅
- 葬儀社の安置施設
葬儀プランの打ち合わせ
ご遺体を安置したら、葬儀プランの打ち合わせを行います。打ち合わせでは、葬儀にかかるトータルの費用を確認するとともに、追加料金がかかる具体的なケースについて確認しておくことをおすすめします。
提示されたプランに最低限必要な物品などが入っておらず、後から料金が追加された結果、最終的に高額な請求となるトラブルは少なくないためです。
家族葬のアイリスでははじめからそのプランにおける葬儀施行に最低限必要となる物品・サービスをすべて含んだ料金を提示しているため、不明瞭な追加料金を心配する必要はございません。
死亡届の提出
打ち合わせと並行して、市区町村役場に死亡届を提出します。死亡届を提出しなければ火葬に必要な「火葬許可証」が受け取れないため、死亡届は早めに提出しておきましょう。
納棺
火葬場へ向かう前に、ご遺体を棺に納める「納棺」をします。納棺に際してご遺体にお化粧を施したり、ご遺体を洗い清める湯灌をしたりします。
なお、原則としてこれらは別料金であるため、ご希望の際にはあらかじめ確認しておきましょう。
出棺
ご遺体の準備が整ったら、ご遺体を寝台車や霊柩車に乗せて火葬場へ搬送します。ご遺族は自家用車や別途手配したマイクロバスなどで、火葬場へ向かいます。
火葬・骨上げ
火葬場に到着したら、ご遺体を火葬します。僧侶に依頼し、火葬炉の前で読経やお焼香をしてもらう場合もあります。
火葬には1時間から2時間程度がかかるため、その間は待合室などで待機します。火葬を終えると、ご遺族がお骨を骨壺に納める「骨上げ」をして直葬式は終了となります。
まとめ
直葬式の概要や一般的な流れ、メリットやデメリットを解説しました。
直葬式は、通夜や告別式を行わず火葬のみを行う葬送の形態です。費用を抑えやすくご遺族の負担も少ない一方で、十分なお見送りができなかったなどと後悔するおそれもあります。直葬式を選択する際はデメリットも理解したうえで、検討する必要があるでしょう。
家族葬のアイリスは、全国対応で葬儀のトータルサポートを行っています。直葬式(火葬式)プランも設けているため、ご家族がご逝去されてお困りの際にはお気軽にご連絡ください。
お電話は24時間365日お受けしており、深夜や早朝であってもご遠慮いただく必要はありません。
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