【2025】火葬前後の挨拶で喪主が話すべきことは?挨拶のタイミングと文例を紹介

葬儀と火葬は、同日に行うのが一般的です。葬儀・告別式を終え、その後は近親者のみで火葬場へ向かうという流れです。この火葬当日には、喪主が挨拶をすべき機会が数多くあります。
では、葬儀と火葬の当日、喪主はどのようなタイミングで挨拶が必要となるのでしょうか?また、火葬前後の喪主挨拶では、どのような内容を伝えればよいのでしょうか?
今回は、火葬当日に喪主が挨拶をすべき主な場面を解説するとともに、火葬前後の喪主挨拶で喪主が話す内容をケース別に紹介します。
なお、当サイト「家族葬のアイリス」は、全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、ご逝去のご連絡後はすぐに担当者が駆け付けて喪主様をサポートします。火葬前後の喪主挨拶についても相談できる信頼できる葬儀社をお探しの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご連絡ください。
火葬当日に喪主が挨拶をすべきタイミング
はじめに、葬儀と火葬の当日に喪主が挨拶すべきタイミングをまとめて紹介します。
- 僧侶の到着時
- 参列者の到着時
- 火葬場への出棺時
- (火葬の直前)
- 精進落としの開始時・終了時
僧侶の到着時
葬儀開始時刻に先立って、喪主が会場に訪れます。この際は、喪主から僧侶に挨拶をするのが一般的です。たとえば、次の内容を伝えるとよいでしょう。
- お忙しいところ(お足元の悪い中)お越しいただきまして、ありがとうございます。定刻に始めたいと思いますので、よろしくお願いいたします
なお、このタイミングでお布施を渡すとスムーズです。僧侶にお布施を渡すタイミングについても、あらかじめ葬儀社の担当者に相談しておくとよいでしょう。
参列者の到着時
参列者が会場に到着した際、喪主から個々の参列者にお礼の挨拶を伝えます。たとえば、次のような内容です。
- 「お忙しいところ(お足元の悪い中)お越しいただき、ありがとうございます。生前は、父がたいへんお世話になりました
喪主は他の参列者への挨拶も必要であるため、一人の参列者と長く話す必要はありません。また、このタイミングでは参列者の側から「心よりお悔やみ申し上げます」など、お悔やみの言葉がかけられることが多いでしょう。これに対しては「恐れ入ります」や「痛み入ります」などと返すのが一般的です。
火葬場への出棺時
葬儀・告別式を終えると、棺の蓋が閉じられ、火葬場へ向けての出棺となります。このタイミングで、喪主が参列者全体へ向けて挨拶をします。この挨拶が、葬儀と火葬当日におけるもっともメインの挨拶といえるでしょう。
火葬場への出棺時の挨拶の例は、後ほどケース別に紹介します。
(火葬の直前)
火葬場への到着後、火葬炉の前で喪主が挨拶することもあります。ただし、火葬場への到着後は非常に慌ただしく、挨拶をするほどの時間は取れないことも少なくありません。
火葬炉の前で喪主が挨拶をするか否かは利用する火葬場や地域などによって異なるため、あらかじめ葬儀社の担当者に確認しておくとよいでしょう。
精進落としの開始時・終了時
火葬の後、火葬場まで同行した近親者と僧侶との会食の場を設けることがあります。これを、「精進落とし」などと呼びます。
この精進落としでは、開始時と終了時に喪主から挨拶をすることが多いでしょう。精進落とし前後での喪主挨拶の例は、後ほど紹介します。
火葬前後の喪主挨拶は代理してもらえる?
健康上の問題があるなど、喪主が火葬前後の挨拶をすることに不安を感じる場合もあるでしょう。その場合は、親族などに喪主挨拶を代理してもらうことが検討できます。
ただし、当日に突然代理を依頼すれば相手を困らせてしまう可能性が高いため、親族などに喪主挨拶の代理を代理してほしい場合には、可能な限り早めにお願いしておくことをおすすめします。
火葬場への出棺時の喪主挨拶の例
火葬場へ向けた出棺時の喪主挨拶では、どのようなことを話せばよいのでしょうか?ここでは、出棺時の喪主挨拶の例をケース別に紹介します。なお、いずれも故人は「葬儀太郎」氏であり、長男である「葬儀一郎」氏が喪主挨拶をする場合を前提としています。
シンプルな例文
火葬場へ向けた出棺時の喪主挨拶のシンプルな例は、次のとおりです。
==
本日はお忙しいところ、父・葬儀太郎のためにご会葬くださいまして、誠にありがとうございました。
出棺に先立ちまして、ご挨拶申し上げます。私は、長男の葬儀一郎でございます。
おかげさまで葬儀・告別式も滞りなく進行し、間もなく出棺の運びとなりました。
生前はひとかたならぬご厚誼にあずかり、このように多くの方に最後のお見送りまでいただき、父もさぞかし喜んでいることと存じます。
生前のご厚情に心より御礼申し上げますとともに、私ども遺族・親族に対しましても故人同様のご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
簡単ではございますが、お礼のご挨拶とさせていただきます。
最後までお見送りいただきまして、誠にありがとうございました。
==
火葬場への出棺に向けた挨拶では、参列いただいたことのほか、故人との生前のお付き合いについてお礼を伝えるとよいでしょう。
故人が高齢であった場合の例文
故人が高齢であった場合における出棺時の喪主挨拶の例は次のとおりです。
==
本日はお忙しいところ父・葬儀太郎のためにご参列いただき、誠にありがとうございました。
出棺に先立ちまして、ひと言ご挨拶申し上げます。私は、長男の葬儀一郎と申します。
おかげさまで葬儀・告別式も滞りなく済み、間もなく出棺の運びとなりました。
父は〇月〇日、使い慣れた自宅の布団の上で、眠るように旅立ちました。享年〇歳と、大往生でございました。
父が充実した人生を送ることができたのは、皆様方のおかげにほかなりません。
最後のお見送りまでいただき、父もさぞ喜んでいることと存じます。
生前に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げますとともに、残された私ども遺族・親族に対しましても、父同様のご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
簡単ではございますが、お礼のご挨拶にかえさせていただきます。
本日は最後までお見送りいただきまして、誠にありがとうございました。
==
「大往生」などの言葉は参列者側が使うのは望ましくないとされる一方で、喪主などの遺族が用いる分には問題ありません。故人が苦しむことなく亡くなった場合、例のように故人の最期の様子などを簡単に盛り込むとよいでしょう。
闘病の末に亡くなった場合の例文
故人が闘病の末に亡くなった場合の喪主挨拶の例は次のとおりです。
==
本日はお忙しいところ父・葬儀太郎のためにご会葬くださり、誠にありがとうございました。
出棺に先立ちまして、ご挨拶申し上げます。私は、長男の葬儀一郎でございます。
おかげさまで葬儀・告別式も滞りなく進行し、間もなく出棺の運びとなりました。
父は5年前に癌を発病して以来、入退院を繰り返しておりました。
家族一同回復を願っておりましたが、〇月〇日、入院していた病院のベッドで息を引き取りました。〇歳でした。
生前はひとかたならぬご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
後に残されました私どもに対しましても、今後も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
簡単ではございますが、お礼のご挨拶とさせていただきます。
本日は、誠にありがとうございました。
==
故人が闘病の末に亡くなった場合には、病状や亡くなった状況などを簡単に伝えるとよいでしょう。
急逝であった場合の例文
故人が急逝であった場合における火葬前の喪主挨拶の例は次のとおりです。
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本日はお忙しいところ、父・葬儀太郎のためにご参列くださいまして、誠にありがとうございました。
喪主を務めました、故人の長男の葬儀一郎でございます。
出棺に先立ちまして、ひと言ご挨拶申し上げます。
おかげさまで葬儀・告別式も滞りなく進行し、間もなく出棺の運びとなりました。
父は〇月〇日、いつものように散歩に出かけた先で倒れ、病院へ搬送されましたが、そのまま帰らぬ人となりました。〇歳でした。
突然のことで私ども遺族も未だに気持ちの整理がついていない状況ですが、家族一同で力を合わせ、何とか前を向いて参ります。
このように多くの方にお見送りいただき、父もさぞ喜んでいることと存じます。
ここに生前のご厚情に心より御礼申し上げますとともに、私ども遺族・親族に対しましても、故人同様のご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
簡単ではございますが、お礼のご挨拶とさせていただきます。
本日は最後までお見送りいただき、誠にありがとうございました。
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なお、急逝であっても自死や事故など伝えづらい内容である場合には、ご逝去理由をあえて伝える必要はありません。
喪主挨拶を代理する場合の例文
喪主は故人の妻であるものの、長男が母(故人の妻)を代理して喪主挨拶をする場合の例は次のとおりです。
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本日はお忙しいところ、父・葬儀太郎のためにご会葬くださいまして、誠にありがとうございました。
本来であれば喪主である母からご挨拶すべきところではございますが、喪主に代わりまして、故人の長男である葬儀一郎よりひと言ご挨拶を申し上げます。
おかげさまで葬儀・告別式も滞りなく進行し、間もなく出棺の運びとなりました。
生前はひとかたならぬご厚誼にあずかり、このように多くの方に最後のお見送りまでいただき、父もさぞかし喜んでいることと存じます。
父にかわりまして生前のご厚情に心より御礼申し上げますとともに、後に残されました私ども遺族・親族に対しましても変わらぬご指導・ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
簡単ではございますが、お礼のご挨拶とさせていただきます。
本日は、誠にありがとうございました。
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代理で挨拶をする際は、冒頭で代理であることを伝えましょう。また、「母は悲しみのあまり皆様の前でお話しができる状態にございませんので」など、代理する理由を伝える場合もあります。
火葬場への出棺時の喪主挨拶の基本構成
火葬場へ向けた出棺時の喪主挨拶の基本の構成を紹介します。先ほど紹介した例と照らし合わせてご確認いただくと、理解が深まりやすいでしょう。
- 参列のお礼、簡単な自己紹介
- 死因、享年など
- 生前のエピソードやお礼
- 今後の変わらないお付き合いのお願い
- お礼の挨拶
参列のお礼、簡単な自己紹介
はじめに、葬儀・告別式への参列のお礼を伝えます。続いて、挨拶をする喪主の簡単な自己紹介(故人との関係性と、氏名)を行いましょう。
死因、享年など
次に、可能な限り故人の死因や享年を伝えます。ただし、事故であるなど伝えづらい場合には、無理に伝える必要はありません。
生前のエピソードやお礼
続けて、簡単な生前のエピソードを伝え、生前お世話になったお礼を伝えます。「カラオケが好きで、友人たちとよく出かけていた」、「本が好きで、自宅の書斎は父が残した本であふれている」、「厳格で仕事人間であった」など、故人の人となりを伝える簡単なエピソードを、自分の言葉で盛り込むとよいでしょう。
今後の変わらないお付き合いのお願い
喪主挨拶には、今後も遺族と変わらぬ付き合いをしてほしい旨を盛り込むとよいでしょう。なお、例文にも登場した「ご厚誼」は「ごこうぎ」と読み、情愛のこもった親しい付き合いを意味します。
お礼の挨拶
挨拶の最後には、改めて参列者へ向けて挨拶を伝えましょう。たとえば、「本日は、誠にありがとうございました」などです。
火葬後の精進落としでの喪主挨拶の例
続いて、火葬後に行う精進落としでの喪主挨拶の例を、開始時と終了時に分けて紹介します。
精進落としの開始時
精進落とし開始時の喪主挨拶の例は次のとおりです。
==
本日はお忙しいなか、父・葬儀太郎の葬儀にお集まりいただきまして、誠に有難うございました。
おかげさまで、葬儀・告別式を滞りなく終えることができました。改めまして、御礼申し上げます。
ささやかではございますがお食事を用意させていただきましたので、お時間の許す限りおくつろぎいただければと存じます。
本日は、誠にありがとうございました。
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開始時の挨拶では参列者に感謝を伝えるとともに、くつろいで食事をしてほしい旨などを伝えましょう。
精進落としの終了時
精進落とし終了時の喪主挨拶の例は次のとおりです。
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皆様、本日は誠にありがとうございました。
皆様に温かくお見送りいただき、父もさぞ喜んでいることと存じます。
父の思い出話などをもっと伺っていたいところではございますが、皆様もお疲れのことと存じますので、このあたりでお開きとさせていただこうと存じます。
父がおらず寂しくなりますが、家族一同で力を合わせて乗り越えてまいる所存でございますので、今後も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
本日は、まことにありがとうございました。
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名残惜しくも精進落としの終了時刻となったことを伝えるとともに、改めて参列者への感謝の想いを伝えましょう。
火葬前後の喪主挨拶で避けるべき「忌み言葉」
火葬前後の喪主挨拶では、できるだけ「忌み言葉」を使わないよう注意しなければなりません。忌み言葉では、そのシーンにおいて「縁起が悪い」と考えられ、避けるべきとされる表現です。ここでは、火葬前後の喪主挨拶で避けるべきとされる忌み言葉を紹介します。
- 不幸が続くことを連想させる言葉
- 重ね言葉
- 生死を直接的に表す言葉
不幸が続くことを連想させる言葉
不幸が続くことを連想させる言葉は、喪主挨拶で避けるべきと考えられています。たとえば、次の言葉などがこれに該当します。
- 追って
- 続けて
- 続いて
- 重ねて
- 繰り返し
重ね言葉
いわゆる「重ね言葉」も、火葬当日の喪主挨拶では避けるべきとされています。なぜなら、これも不幸が繰り返されることを連想させるためです。たとえば、次の表現などがこれに該当します。
- 重ね重ね
- 重々
- 追々
- 続々
- 次々
生死を直接的に表す言葉
火葬前後の喪主挨拶では、生死を直接的に表す言葉も避けたほうがよいでしょう。たとえば、次の表現などです。
- 死んだ
- 生きていた頃
火葬前後で行う喪主挨拶のポイント
火葬前後で行う喪主挨拶で失敗しないためには、どのようなポイントを踏まえればよいのでしょうか?最後に、喪主挨拶のポイントについて解説します。
- 大きな声ではっきりと話す
- 簡潔に話す
- メモを用意しても構わない
大きな声ではっきりと話す
1つ目は、大きな声ではっきりと話すことです。
挨拶は、相手に伝わるように話すのが基本です。小さな声で参列者に聞こえなければ、せっかくの挨拶が相手に伝わりません。無理にうまく話す必要はないため、参列者に伝わることを心がけるとよいでしょう。
簡潔に話す
2つ目は、簡潔に話すことです。
喪主挨拶は、必要以上に長く話すものではありません。あまり長く話せば出棺の予定が押してしまい火葬場の予約時間に間に合わなくなるおそれがあるほか、参列者も疲れてしまうでしょう。
火葬場への出棺前の喪主挨拶は、2分から長くても3分程度を目安とすることをおすすめします。
メモを用意しても構わない
3つ目は、メモを用意することです。
火葬場への出棺前の喪主挨拶は、メモを見ながら話しても構いません。挨拶の場に立つと緊張してしまう人も少なくないものの、メモがあることで落ち着いて挨拶をしやすくなります。
また、緊張すると普段であればわかっている内容(故人の享年など)を急に忘れてしまうこともあるものの、メモがあることでそのような事態も回避できます。さらに、メモを用意しておくことで話すべき内容があらかじめ整理できるため、緊張のあまり不適切な内容を話してしまったり必要以上に長時間の挨拶をしてしまったりする事態も避けやすくなるでしょう。
喪主挨拶に不安がある場合には、メモを用意したうえで、葬儀社の担当者に確認してもらうとより安心です。
火葬前後の喪主挨拶についても相談できる信頼できる葬儀社をお探しの際は、家族葬のアイリスまでご連絡ください。家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、24時間365日体制で葬儀のご相談をお受けしています。
まとめ
火葬当日に喪主が挨拶すべき場面をまとめて紹介するとともに、ケース別の喪主挨拶の例を紹介しました。
葬儀や火葬の前後では、喪主が挨拶をすべき場面が少なくありません。全体へ向けて行う喪主挨拶は、火葬場へ向けた出棺時と、精進落としの開始時・終了時です。
出棺時の喪主挨拶ではご逝去の状況を簡潔に伝えるとともに、参列者への感謝を伝えることに主眼を置くとよいでしょう。基本の構成を意識しつつ自分の言葉で文章を組み立てると、参列者に想いが伝わりやすくなります。不安がある場合には事前にメモを用意し、葬儀社の担当者に確認してもらうと、安心して喪主挨拶に臨みやすくなります。
家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、24時間365日体制でお電話をお受けしています。火葬前後で行う喪主挨拶についても相談できる、信頼できる葬儀社をお探しの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。お電話は、深夜や早朝であってもご遠慮いただく必要はありません。
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