成年後見人制度

一般の方がこの制度を知っている人はまだ少ないと思いますが、成年後見人制度は利用すれば自分の老後生活に安心感を持つことができます。

この制度の概要は老後になると認知症などの精神上の障害が出てきたときに判断能力の欠如が発生して不利益を生じる場合が出てきます。そこで家庭裁判所へ事前に申し立てすることで救助措置が取れる制度になっています。

老後の一人生活に入ると訪問販売などで高額な商品を買わされる事件が多発しています。その場合でも成年後見人制度を使えば被害を防げることができるのです。

これからの日本は超高齢化社会へと突き進んでいます。６５歳以上の利用者は男性では全体の６割、女性では８割以上になっており今後も利用者数の増加が見込まれます。

成年後見人登記制度についてもプライバシーの保護や使い勝手を考慮して円滑に取引ができるように本人か後見人から請求があれば登記事項証明書の発行が法務局でスムーズに行われます。

成年後見人制度のメリットとして判断能力が低下した場合の財産管理ができることや登記制度によって後見人の地位が証明されます。取消権があるので後見人本人が詐欺にあった場合でも契約を取り消せられます。

デメリットとして資格制限として会社の取締役、弁護士、医師などの一定の資格には就けないです。また手続きには時間がかかるので迅速性には欠けることが挙げられます。

成年後見人制度は２つのタイプに分かれます。

１つは法定後見制度で本人の判断能力の過程や事情によって後見か保佐か補助の３つから制度を選ぶことができます。本人が法律行為を行うときの同意と不利益な法律行為が発生した場合に後から取り消しすることができます。

もう一つ任意後見制度です。これは本人の判断能力がある内に将来を見越して自己判断ができなくなる前に事前に契約をして後見人を決めておく制度です。あらかじめ選任しておけば自分が認知症などになったタイミングで家庭裁判所へ申し立てをして任意後見人に選任をしてもたいます。

成年後見人制度の基本理念は自己決定権の尊重と残存能力の活用、ノーマライゼーションの３本柱があります。全ての決定権を後見人に委ねるわけではなく、障害のある方も地域社会で普通の生活ができるようにするのが目的です。その為の補助制度として成年後見人制度があります。日常生活でのスーパーでの買い物や専門店での靴や服の購入に関しては個人の自由に買い物ができます。