葬儀の流れ~ご臨終と枕経~
病院で臨終を迎えると、看護師さんは故人の身体を拭いて入院着から用意した浴衣などに着替えさせ、
相部屋の場合には霊安室に移して、
葬儀会館から寝台車の迎えが来るのを待つようにしてくれます。
その上で、病院側はいつお迎えが来られますかと
遺族に質問を投げかけるのが一般的です。
これは病院側の段取りがあるからでしょうが、
遺族はこの言葉に焦りを感じて急いで葬儀場を決める事が多いものです。
こうして連絡した葬儀社から迎えの寝台が来ると、
最近では多くの場合、そのまま葬儀会館の霊安室に移され、布団に寝かされます。
また故人が長い入院生活等で、
自宅に戻りたいと強く願っていた様な場合には、
遺族がその意を汲んで一旦自宅に戻して布団に寝かせる事もあります。
納棺する前の、この布団に寝かされた状態で、
僧侶により枕経を授けてもらう場合もあります。最近では枕経を省略される場合が、
むしろ多いと言えるかも知れません。
枕経は故人の枕元でお経を授ける儀式で、
昔は自宅で臨終を迎える人が多く、
まさに臨終が近づいた時に、この世からあの世へと送る為に読経する儀式でした。
この時に遺族が湿らせた布等で口元を濡らすのが、
末期の水を与えると言う儀式であり、
言葉の意味なのです。
また枕経を授けると共に、
剃刀を髪の毛に当てるしぐさをする剃度作法と戒名を授け、
仏の弟子として旅立てるようにするのが本来の儀式なのです。
しかし現在では病院で亡くなられるのが一般的なため、
納棺前にご遺体の枕元でお経を授ける儀式へと変化しています。