人が亡くなると、日本の仏教では生前の俗名に対して、
戒名を僧侶に付けてもらいます。
この戒名は、本来は出家でも在家でも、
仏教の宗派教団に入る際に仏の定めた法を守る事を約束する授戒をして頂く名前です。
従って本来は戒名と言うのは生前に頂くのが正しいと言えます。
しかし最近では人が亡くなった時に、仏の弟子として旅立つとして、
納棺までに僧侶からつけてもらうのが一般的で、死後の名前と誤解されている事が多いようです。
また授戒と言う考え方のない浄土真宗では、戒名ではなく法名と呼ばれています。
この戒名や法名は、故人の社会、宗派、寺院への貢献度などにより、
院号を付与する等、格付けされています。
格付けの高い、院号等が付与された戒名や法名を頂くには、
高額の戒名料を支払う必要があると良く言われますが、
本来は故人の生前の社会、宗派、寺院への貢献度によって付与されるもので、
死後に高額を出して付けてもらうのは、
本体の主旨からは間違った習慣と言えるのです。
特別格付けの高い戒名や法名でなければ、
最近では通夜・葬儀にお経を頂き、導師を勤めてもらうお礼と合わせて
20万円~40万円(地域差や宗派により異なります)のお布施に含めるのが一般的となっています。
もちろん、費用の面から僧侶を呼ばずにCD等でお経を流して葬儀を営む場合には、
自分で戒名や法名を付ける事も可能です。
僧侶に授けられた戒名や法名は、白木の位牌に記されて祭壇に祀られ、
また忌明けまで白木の経台に骨壺や遺影と共に祀られる事になります。
参考までに、この白木の位牌は忌明け後には黒塗りの本位牌に変えられますが、
浄土真宗では本位牌はなく、その法名は過去帳に残るだけとなります。