久留米市三潴町・AN様よりいただいた葬儀にまつわるエピソードです。
久留米市で先日80歳の母の葬儀を行ないました。
親族様中心での家族葬で通夜葬儀と両日とも10名程でのお式でした。
母は、生前、自宅のお庭のお手入れご趣味でお花が大好きだったので、
祭壇のお花は華やかにしたいと葬儀社スタッフにお願いしたところ、
白色とピンク色をベースに黄色や紫色も入れて、色とりどりの祭壇となりました。
その祭壇の仕上げを私と姉で手伝いました。
葬儀社のスタッフと打合わせをする中で、
母がお花の中でもラナンキュラスが好きという事を伝えると、
葬儀社スタッフから花屋さんへお願いをしていただき、
ラナンキュラスのお花を祭壇花の最後の仕上げとして挿しました。
母がとても好きだったお花とということもあり、
母が喜ぶ顔を想像するととても和やかな気分になりました。
そして、祭壇上には、母の自宅にたくさんなっていたレモンををお供えしました。
通夜前の打合わせで自宅にきた葬儀社スタッフがそのレモンの木について尋ねられました。
実はそのレモンの木は、7年前に亡くなった父と母が一緒に植えた木で、
2人で育ててきた思い出の木だということを伝えました。
レモンを家族で食べる機会もなかなかなかったですし、
何よりも木の存在を気にかけていただき、嬉しかったので、
レモンをいくつか葬儀社のスタッフにおすそ分けしました。
その翌日、通夜のために久留米の斎場で式場に入ったところ、
なんと母と父が大事に育ててきたレモンが祭壇にお供えされてありました。
不思議に思い、葬儀社のスタッフにその真相を尋ねると、
そのスタッフがレモンの話に心を打たれ、
母の祭壇にのせる供物としてお供えしてくださったとのことでした。
家族中心の小さな家族葬でしたが、
母が昔から来客があればきちんとおもてなしをするタイプだったということもあり、
通夜葬儀と返礼品を同じものではなく、違うものにしたり、お料理にこだわりました。
今年26歳になる娘もおしゃれ好きな母のためにとメイクをし、
家族みんなでは、最後棺の中にお花の苗をいれました。
生前、母からいただいた愛情にはかないませんが、
最後ささやかながら家族で愛情を込め、お見送りができ、
きっと母も喜んでいることでしょう。