仏壇を購入しただけでは日々のお参りができません。仏壇の中に飾る、仏具を購入する必要があります。仏壇内の仏具の飾り方は宗派によって異なりますが、一般的に必要な仏具とはどういったものが必要なのでしょうか。
●基本的な仏具について
◎三具足
仏壇を購入したら、最低限これは揃えて欲しい仏具が次の3つです。お香を焚く時に必要な「香炉」、花を飾るための「花立て」、ろうそくを立てる「燭台」をひとつずつで三具足(みつぐそく)と言います。
◎基本的な仏具の名称
・仏飯器
炊き立てのごはんを仏様供える時に使う道具です。ただし、真宗大谷派ではこれを「仏器」と呼び、円筒状のものにごはんを詰めて突き出した筒状の盛り方をします。
・茶湯器
毎日のお供えでお水、お茶を入れておく器です。故人に向けて家族が飲む前のお茶を淹れてあげるといいですね。浄土真宗では使用しません。
・木魚
僧侶が読経の際に使う道具として多くの方がご存知の仏具です。「ポコポコ」という音は、リズムをとりながら読経できるとともに、聞いている人の気持ちを落ち着かせるような温かみのある音が聞こえてきます。
・リン
鈴の音のような音色が心の中にしみいるように聞こえます。このリンは、木魚と同様、読経時に必要になる仏具です。仏壇用のリンは、寺院にあるものよりもコンパクトで仏壇に合ったサイズになっています。
・高坏(たかつき)
季節の果物やお菓子を供える時に使います。家紋が入っている場合には、前を向けておくようにします。
・経机
仏壇の前に置き、経本を乗せて読む時に使用します。また、香炉やリンを乗せ、日々の祈りの時に使えるようにしておきます。経机には、引き出しがついていますから、ろうそくや線香などを収納しておくといいでしょう。
・瓔珞
仏壇の中を煌びやかに美しく装飾します。
・灯籠
仏壇を明るく照らしてくれるものです。
・過去帳
亡くなった先祖の名前や没年月日を記載して仏壇内に置きます。
・位牌
仏壇の中で故人の魂が宿る場所として考えましょう。故人の戒名と亡くなった年月日が記されています。仏壇購入の際には、開眼供養として僧侶に読経してもらいます。ただし、仏教によって違いがあり、浄土真宗の場合には、「法名軸」というものを祀ります。
・法名軸
浄土真宗の場合に、使うものです。浄土真宗では「戒名」と言わず、「法名」と言いますが法名と故人の亡くなった月日を記載して仏壇に置きます。
●宗派によって飾るものやお供えも異なる
揃えるべき仏具は、宗派によって異なります。信仰の教えによって、配置の仕方もそれぞれ違うものです。仏具と言われるすべてを準備するのではなく、宗派によって最低限揃えるものも違うでしょう。
また仏壇の主役であるご本尊も木彫りのもの、掛け軸とさまざまです。
購入する時には自分の宗派である寺院に相談するといいのではないでしょうか。