神式の供養

神式の供養

亡くなった人の供養は、宗教の違いで異なります。日本では仏教が多いですが、神道も次に多く見られます。

そもそも「供養」という言葉は仏教からきたものです。仏教では亡くなった人に対して「あの世で幸せに暮らして欲しい」と冥福を祈ります。しかし、神式では「家の守護神」となってもらうと考えられます。

このように仏教と神道では「死」に対する考え方の違いから、供養の作法も異なるのでみてみましょう。

●神式では「祖霊舎」を・・・

仏教で仏壇にあたるものが、神式での祖霊舎(それいしゃ)です。御霊舎(みたまや)、霊床(たまとこ)、霊棚(たまだな)、神道壇(しんとだん)とも呼ばれることもあります。

神道では、故人は成仏してあの世に行くとう考えではなく、霊となって家庭の守り神として家族を見守り続けてくれるのです。
そして、神式の仏壇にあたるものが祖霊舎で、中には仏式の位牌にあたる「霊璽(れいじ)」を置きます。霊璽は故人や先祖の霊が宿る場所です。

また、その他には米や塩、ろうそく、水、さかき、酒、鏡といったシンプルな神具を飾ります。
jinja_kannushi●感謝の気持ちを日々の礼拝で表す

神棚とは別に祖霊舎を準備しますが、基本的に神棚よりも低い位置に置くようにします。スペースがないなどの住宅事情によっては、タンスの上に配置するという方も多いです。置く場所には正式な決まりがありませんが、清らかな明るい場所に置くようにするといいでしょう。

日常的に日々拝むようにしたいものですが、毎朝、綺麗な神饌(洗米、塩、水)をお供えします。

◎礼拝は二礼二拍手一礼で

神式では葬儀などの儀式で二礼二拍手一礼をするシーンが多々あり、知っているという方も多いですよね。文字通り、2回礼をし、2回手を合せ、1回深いお辞儀で終えます。ここでいう「拍手」ですが、音をたてて拍手をするのはいけません。ついつい音を立てて拍手をしてしまう方もいるかもしれません。

毎日の拝礼でも、音をたてないように手を合わせるだけの「しのび手」がマナーです。
◎感謝の気持ちが大事

このように仏式と神式では供養の飾り方や道具、マナーも異なります。しかし、家族が亡くなって持つ「悲しい気持ち」という根底にあるものは同じ。亡くなった故人に対して「感謝の気持ち」を持ち、日々偲び供養をするという意味では、同じものではないでしょうか。

日々の礼拝の時には身を清めて、感謝の気持ちを心に込めて祖霊舎の前に立ちたいものです。rousoku