供養の方法

供養の方法

人が亡くなると葬式や法要、お盆、彼岸といった節目の時に故人の冥福を祈ります。しかし、そういった日以外であっても、仏壇に向かって故人のことを思い浮かべながら毎日供養したいものです。

日々、仏壇で手を合わせることで自分の心が安定し、落ち着き、さらにご先祖さまに対しての感謝の気持ちが湧きあがってくるのではないでしょうか。
●仏壇にお供えするものの基本

仏壇には仏様に対しての「敬い」の気持ちからお供えをします。基本のお供えは、五供(ごくう)という「香」「花」「灯明」「浄水」「飲食」からなります。

◎香

日々の供養では線香や抹香が使われます。一般的には日々の供養には長持ちする線香が焚かれています。抹香は、葬儀や法要といった儀式の時に使われるものです。線香は香りが部屋いっぱいに広がり、気持ちが落ち着くものですよね。

線香を使う時の注意点として、ろうそくから線香に火をつけた時には、息を吹きかけて消すのはNGということがあります。手を使って仰いだり振ったりして消すのが正しい方法です。

また、線香は宗派によって本数と立て方が異なります。1〜3本を線香立てに立てる、横にして置くなど色々あります。自分の信仰している宗派にあわせて行うようにしましょう。
◎花

仏壇に座って供養する時の人の気持ちを清める意味がある花。故人が好きだった花や季節の花など、新鮮で活き活きした花々をお供えしたいものです。ただ、ニオイがきつい花、派手な花、トゲのある花など仏壇にそぐわないようなものは避けるようにしましょう。

◎灯明

仏壇の中を明るく照らします。ろうそくを消す時には、線香と同様に息をふきかけるのはNGです。

◎浄水

浄土真宗では水を供えませんが、その他の宗派では毎朝お水を供えます。水道水をあげてもいいですが、朝いちばんのお茶を仏様に飲んでいただくようにする人も多いです。
◎飲食(おんじき)

毎朝の炊き立てのごはんをお供えします。お供えしたごはんは昼前には下げて、家族がいただくようにします。また、命日や法要の時に供える「霊供膳」は故人が好きだった食べ物を供えます。ちなみに霊供膳のしきたりは浄土真宗にはありません。
osoushiki_osenkou●日常的な供養の方法について

起床したら、身なりを整えてから仏壇の前に座ります。家族がごはんを食べる前に、仏様にお水、お茶、ごはんをお供えします。また、お土産や頂きものなどがあれば、仏壇にお供えして手を合わせるようにするのもいいですね。

仏壇での日々の礼拝は、故人や先祖に対しての「感謝」の気持ちを思い出させてくれます。家族との別れはとても悲しいものです。年月が解消してくれるとはいうものの、ふと思い出して涙を流してしまうことがあります。しかし仏壇の前に座り、故人に話しかけることで、気持ちを落ち着かせることもできます。仏壇で故人のことを思い出しながら供養をすることは、いつも見守ってくれるという実感に繋がるのかもしれませんね。